コーチとスピリチャル、その狭間と越境する想い-川本恵さん

インタビューは、その都度、色んな分野で活躍されている方の人生にフォーカスして、その方の人生越境ポイントを見ていこうという企画です。

第一回は、スピリチャル・ナビゲーターの川本恵さん。
恵さんは現在スピリチャル・ナビゲーターという名前で、ミーディアム(日本でいう霊媒)としてスピリチャル・カウンセリングを行うと共に、グラウンディングという感情の統御に有効なエクササイズを紹介するワークショップを全国で開催されています。また、川本恵さんは日本のコーチング界の先駆者(コーチA立ち上げメンバーでもあり、国際コーチ連盟マスター認定コーチ)の方でもありまして、私の大先輩にもあたる方です。

今回は、恵さんの人生にフォーカスしながら、その思いの境を伺ってみました。

先に言っておくと、私自身は、コーチングという仕事の中で、スピリチャルなマインドを持って実践しているわけではありません。ですが、同じように人と関わる仕事をされている方が、どういう思いを持っているのかに非常に興味があり、今回のインタビューが実現しました。

スピリチャルな事に対して抵抗がある方も、一度先入観を外して、お読みいただければと思います。

では、どうぞ。

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スピリチャル・ナビゲーターというお仕事について

−−スピリチャル・ナビゲーターというのは、どういうお仕事なのでしょうか?

川本:はい、仕事っていうふうには思っていないので、改めて聴かれると妙な感じなんですが、自分としては、ライフワークみたいな感じですね。スピリチャルな真理を紹介する人、つまりナビゲートの役割だと思っています。具体的には、1対1のスピリチャル・カウンセリングや複数の人を対象にスピリチャルな真理を紹介するワークショップを開催するという感じです。

開催しているワークショップも三種類くらいあるのですが、どれも共通しているのは、私がミーディアムをさせてもらって、来られる方の「魂の本来の目的」をお伝えしたり、今起こっている様々な問題(人間関係や仕事、お金や健康上のトラブルなど)に対してこれまでとは全く違う見方ができるようなお手伝いをさせてもらっています。

人ってみんな生きる意味や目的が必ずあるんです。実際誰しも、何が一番自分に向いてるのかな?とか、自分の人生で何しにきたのかな?とか考える事ってよくあると思うんです。

そんな時、ある人は、セミナーに行き、ある人はコーチをつけて、ある人は心理カウンセラーを訪ねたり、ある人は山にこもって瞑想したり、そういういろんな発見の仕方があると思うんですけど、私は、ミーディアムとしてその方にとっての霊的真理をお伝えしています。あんまり耳にすることは少ないかもしれませんけど、本当は、そういう霊的真理を説く人っていうのは、昔からいたと思うんですね。でも職業でもないし、あんまり表立ってはでてこないんでしょうね。

幼い頃からの疑問

−−そういうことには昔から興味があったのですか?

川本:振り返ってみると、私は、10代の頃から興味があって、そういう時は、スピリチャルという字もしらない、霊的真理も知らない、でも「この世は見たままではない」っていうところはわかっていたところはありましたね。

−−それは、感覚的に感じてらっしゃったんでしょうか?

川本:たぶん、感覚的なものなんだけども、非常にわかりやすい出来事があると、なおのこと意識が高まっていましたね。例えば、私達は日本にいて戦争のないところにいるけど、世界を見れば戦争ばっかり。それが不思議でたまりませんでした。

−−それは、日本ではなぜ戦争はおきないのか?ってことでしょうか?

川本:日本でも大戦がありましたが、そういう意味というよりは、世界中の人が平和を唱えるし、聖書や経典もあるのに、なんで宗教戦争が起きるのかってことですね。私は、ミッション系の学校(キリスト教系の学校)だったのですが、シスターに聞いてみても、わかるような答えはかえってこなくて。ただの領土争いだったらまだわかるんですけど、宗教の名の下の戦争っていうのが、ほんとによくわからなくて謎でしたね。

−−なんでそういう事が起こるかが謎だったんですね。

川本:そうですね。隣人愛だとかなんとか、言ってることはそれぞれまっとうなのに、なんで殺しあうような争いをするんだろうと。それを12,13歳くらいの頃から思ってましたね。かなり思い悩んだりしました。でもどこにも答えがなくて。

あ、今、思い出したんですけど、同じキリスト教の中学の時に、授業で「Brother Sun, Sister Moon」っていう映画を見に行いったんです。アッシジ(イタリアの地名)の聖フランチェスコの生い立ちの映画だったんですね。それをみんなで見に行って、私、大感動で「ぶえーっ」って泣いてしまって(笑)他の子を見ると、そうでもなかったんですけど、私はそれに痛く感動したのを覚えてます(笑)

映画:Brother Sun,Sister Moon動画
https://www.youtube.com/watch?v=aUOrKTpJ2Pw

−−中学生だとなかなか感動しなさそうな映画ですね(笑)どんなところに感動したんしょうか?

川本:その時は、言葉にならなかったんですけど、今あえて言葉にしてみると、おそらくは万物への愛なんですよね。鳥も動物も人も等しく生きる権利があって、等しく愛されてるのに、なんで表面のことで争っているんだろうって。ローマ法王は、金銀きらきらの権力で飾ってしまってますからね。それも疑問でした。でも、聖フランチェスコは、正反対の清貧っていうなにももたず托鉢で生きるようなスタイルで生きるんです。で、彼は鳥を見てこういうんですよ。「かれらは種も蒔かない、刈り取りもしない。でも等しく神に愛されている」って。

−−おー。なんかグッときますね。

川本:そう、すごくいい言葉だなと思って。それは実際、生前の聖フランチェスコが言った言葉で詩集もでてるんですけど、そういう言葉にふれると、私の身体の中心が、ほんとだほんとだと、言っているような気持ちがしました。

最初の質問に戻ると、今のような事を伝えていくのが私の仕事なんだと思っています。どうして戦いがあり、万物愛ってどういうことかってことですね。それって、実はちゃんと霊的真理に則っているんですよ。私自身、グラウンディングに出会って、数年前に全部「なるほど!」っていう納得したんところがあるんです。

グラウンディング
身体をしっかりと地につけるためのイメージワーク。1回30秒ほどのワークを一日に3〜5回行う。これを行う事で、しっかりと地に足がついた状態になり、心が安定し、周囲の人や出来事に過度に影響をうけなくなる。仏陀を実践していたともされる方法。

−−グラウンディングと出会った時に、中学時代に見た映画で感じたのと同じようなインパクトがあったんですね。

川本:そうです。決して、これは西洋のだれかの特別な話というものではなくて、これは永遠と日常の中で、続いているものなんだと。そういうことなんだ!ということを再確認したってことですね。

研修講師からのコーチングとの出会い

−−それからはどうされたんですか?

川本:10代はそういう感じだったのですが、私、帰国子女だったので、日本語がうまくなかったんです。それで、道が英語講師しかなかったんですよ。これしかないみたいな感じでしたね。その直前にコミュニケーション研修を受けたんです。いわゆるアメリカ発祥のセルフ・アウェアネスセミナーですね。自分の価値に気づくとか、人とのコミュニケーションを見直すとか、そういう研修でした。ご存じですか?

−−話には聞いたことがあります。

川本:その研修をうけて「あ、これだ!」と思って。「21世紀は救われる」ぐらい思って(笑)そのまま、すぐそこの社員になったんですね。

−−すごい行動力ですね。

川本:そうそう(笑)その後、会社は研修事業からコーチングにシフトしていったんですね。それも時代の流れですよね。一人の人がたくさんの人にじゃなくて、一対一の対話を通して、ってことですね。社長はすごい先見の明があったんです。これは、私のやりたい事にもフィットしてましてね。とても、いいですよね。「あー、これも日本を救うなー」って感じで(笑)全国あちこちの説明会にいきましたね。立ち上げ当初のメンバーだったので、ほんとあちこちいきましたね。

当時は、働いている事自体が、喜びだし、ほんとに嬉しくて。特に女性にとっては、新しいビジネスモデルでもあったので。主婦でもできるし、出産後とかリタイヤ後でもできるっていう新しいモデルだったんじゃないかと思いますね。

川本恵

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突然の病気

川本:まあ、そんなこともあって、懸命に働いていたんですけど、途中病気になって、ゆっくりした時があったんですね。その時に、仕事とかゴールとかって、差し置いて本当にやりたい事をなんだろう?って言うことをじっくり考えたんですね。

−−お病気になられたのは、コーチとして活躍されている真っ最中だったんですよね?

川本:そうです。すでに決まってる研修先もあって、これから!って言う時だったんです。乳がんだったですね。でも、今考えると、スローダウンできてよかったんです。やっぱり、当時は頭でっかちのコーチになっていたと思いますね。そこで、そこで、やっぱり痛みを体験することで人生のブレーキを踏むとか、感謝するとか、家族とのコミュニケーションをとるとか。

で、結局は退社することになったんです。そしたら、それがスピリチャル・ナビゲーターとして、活躍する機会につながっていったんです。だって、会社員だと、こういうスピリチャルな事に興味があっても表立ってはいえない部分もありますよね。個人的には、本は読んでたりしてましたけど。

−−あ、やっぱり以前から興味はあったのですね。

川本:そうです,ずっとありましたね。忙しくなってくると、その優先順位が下がっちゃって、ビジネス書とか読んでましたけど。本当は、違ったんですよね。でも、人の心ってビジネスとかプライベートって分けられるものではなくて全部関連してるでしょ?本当は、全部が切り離せない状態になってる。でも、どうしても会社の頭にしなきゃいけないから、でもそれが病気で休んで素にかえった時に、「そうだ、これからは、魂が喜ぶことだけする!」っていう思いがムクムクって湧いてきたんですね。

−−なるほどー。

川本:そこからはばかることなく、人にスピリチャルがもともと好きだとか、言えるようになりましたね。別に抑圧してたつもりもなかったはずなんですけどね。陽の目をみたって感じかな。

ミーディアムとしての活動開始

−−最初はどういうことからはじめられたんですか?

川本:そんな時に、私がグラウンディングというエクササイズを教えてもらって。すごく具体的じゃないですか。自分が実践してみて、日を追うごとに変わるのがわかって。そして、安心だし安全だし、人に教えてみたら周りがかわってくるのもわかって。それで進んで行きたいと思って。あ、その時に、名前がいるわって。自分の個人名で行くことは決めてたんだけど、何屋さんですか?って聴かれた時に、スピリチャル・カウンセラーじゃ江原さんみたいで、おこがましいじゃないですか(笑)じゃあ、私は、案内人だ!と思って。ナビゲーターってことですね。その名前にしたのが、3年位前ですかね。

−−じゃあ、グラウンディング自体を学ばれて、カウンセリング業はその後、始められたって感じなんでしょうか?

川本:そう、カウンセリングは後で、最初はワークショップからですね。やっぱり講師とかファシリテーターとかをやっていたので、なんとなくやり方が分かっていたので。でもね、実はグラウンディングを教わる前に、グラウンディングをやるって決めてたの。

−−え、そうなんですか?

川本:えーっと、病気したでしょ、そのあと、3年後ぐらいに、ある人にオーラが見える人がいるから行ってみる?って言われて。そこで、その人に「あー、グラウンディングしてませんね。人生の中でこれだけはやりたいみたいな事ってないでしょ?」って言われて。なんかざわざわして。

−−そのざわざわって、どんなインパクトだったんですか?

川本:「あー、そうだ!」みたいな感じですかね。

−−おっしゃるとおり!みたいな?

川本:そうそう(笑)私の中でもともとコーチングは一生やるものではないとどっかで思ってたところもあったんですよね。今、やれるし楽しいし、人の役にはたつし、有意義だし。でも、一生やるか?いや、違うな。みたいな感じ。そういうことは、薄々はわかっていたけど、でも、この気持はなんなんだろう?って説明がつかなくて。その状態で、グラウンディングしてませんねって言われたら「えー」ってなって。時々、こういう説明のつかない流れが来ることってあるんですよね。

−−それはどういうことですか?

川本:その頃に選択したものって全部つながっているんですよ。なぜか、絶対行かないような講演会に自分が行ったりとか、グラウンディングのエクササイズを知らない時に、私はやるって決めて、朝日カルチャーセンターで我流で教えてたりしたり(笑)題名は、「自己表現」でしたけど。そしたら、同時期にプロのスピリチャル・カウンセラーの人から正当なグラウンディングを教えてもらったり。あ、それはまさに私のやりたかったことだ!って。偶然のように見える、この流れは、ちょっと鳥肌モノですよね(笑)

−−へー!

川本:なので、病気するまでのプロフィールとは、違う感じの職業をつくったというよりは、個人的には、何かの流れに乗って来たって感じがあります。

−−そうですよね、今聞いている話って、ひとつの根源的な疑問からの気づきの流れっていう風に聞こえます。

川本:そうですね。

ミーディアムは誰でもなれる?

−−では、ミーディアムとしての能力は後から開花したものなんですか?

川本:もちろんですよー。でも、だれでもできるんです。すごいでしょ?

−−誰でも出来るんですか!それはすごいですね。

川本:よく人は脳のうちの何%しか使えてない云々ってありますけど、それはほんとみたいで。私は、別にサイキックな能力を開発しようとしたいわけではなくのですが、ただ、人間には自分で気づいていない能力があるんだって事を言いたいんですよね。それを気付かずして生きていくのはもったいないし、私達はものすごい倍率をくぐり抜けて生まれてきているので、めいいっぱい、それを体現して生きるのがいいと思うんですね。ひらたくいうと感動と経験を増やそうって事なんですけどね。
 
それがあるので、こないだ越智さんが凹んだ話(インタビュー開始前にしていた私の話)っていうのは、素晴らしい体験なんですって。それはOKなんですって(笑)それがないと気づきがないって、言われてます。

−−!!あ、それは私への声なんですね(笑)ありがとうございます(笑)

川本:はい(笑)そうです。だから、題材は日常にゴロゴロしてて。それは、江原啓之さんもおっしゃっているし、世の中いろいろな人が言ってますね。そして、この世の闇と言われるような部分にも意味があるんですって。

いいとか悪いとか判断するから、もんもんとするけど、いい悪いを通り越した次元があるんですね。この地球は、天使も悪魔もいて、とにかく体験する場なので、それをわかって通過し、自分の魂を成長させるんですね。そういうことを中立の立場でナビゲートするのが自分の役割なんだって思うんです。

在り方としての職業

−−最初、この質問を投げかけた時に、あえて「どういう仕事なんですか?」っていういやらしい聴き方をしたんですが、「仕事」っていうよりは「在り方」なんですね。恵さんの存在自体が発する願いの体現ってことのように聞こえました。

川本:それは、コーチやってる時と、全く同じですね。だいたい、コーチングのマニュアルに書いてあるのよ。「コーチングの最終的な目標はゴールの達成ではなく、ゴール達成の先だ」って。それは、その人が人生の中で自分の価値を体現することだって。まあ、もちろん、コーチングでは、そこに行き着く前に契約期間がおわってしまうけど(笑)それのもう少し発展的なところにいるのが、今かな?と思ってます。

−−ここで、コーチングの文脈と繋がるわけですね(笑)

川本:そうそう。ちなみに、コーチングって今はビジネスシーンで活用されることが多いと思うんですが、昔のマニュアルには精神的成長って項目も組み込まれていて、広く個人の内面的な成長にも重きを置いていました。

−−そうだったんですね。ちょっとだけお話を戻すと、私が、今日のインタビューをする上で、先に考えていた事は、コーチとしての恵さんと、スピリチャルな恵さんってどう折り合いをつけているんだろうと。そこの境目はなんだろうってことだったんですけども。でも、話をお伺いしてると、すごく一本の流れが通っている感じがしています。

川本:私としては、全然わけているつもりはないですよ。昔いたコミュニケーション研修の会社でのセミナーからコーチング、スピリチャルまで、同じスタンスのまま、発展的に進んでるっていう感じですね。だから、私自身は、考えがブチブチ切れてるって感じがしてないのよ。

−−うんうん

川本: 色々な流れはあると思うんですけど、私が持ってきた疑問を、霊的真理で説明すると、すごくスッキリすることが多くて。そこに簡単につながれるのがグラウンディングだと思うし、そういう簡単な事をするだけで、生きることが楽にもなれるんだよって。

そういうことをたくさん伝えたいんですね。アセンションがどうとかっていう事は、後から知ったんですよ。それを伝える事も大事なんだけど、基本はワークショップから体験を通してのエバンジェリストみたいな事をしたいなと決めてます。ですから、仕事は色々と変えてはいますけど、たぶんずっとそのつもりでいたんですね。で、この歳になって名前とやってることがピタっと来たって感覚があります。会社員はの時は、難しかったですけど、今はフリーなので、正々堂々と自由にやれています(笑)

愛を言葉にしていくコラボレーティブラーニング

−−最初の中学生の時の映画の衝撃と発見感が、恵みさんの人生の中で、ずーっと続いているんですね。

川本:10代後半から20代は、どこに行っても宗教色無く説いてる真理みたいなものに出会わなくて、半ば諦めぎみになってた事もありましたよね。でも、4年前に、グラウンディングと出会って、ピタッときた感じがあります。

で、その流れとは別なんですけど、社員だった時に、ある有名なボストンの楽団の指揮者の方の通訳をやる機会があったんです。有楽町の東京国際フォーラムで。たぶん、1,000人くらいの聴衆がいたんだと思いますね。そんな多くの観衆の前に立つのは、生まれて初めてだったので、かなり緊張したんですけども(笑)

で、彼はユダヤ人だったからか、いろんな音楽の事を話しながらも、最終的にはユダヤ人とパレスチナの戦いがいかに悲惨なのかを伝えようとしてたんですね。その流れでアウシュビッツの話もでてきて、途中、私が感極まっちゃったんです。その雰囲気が、お客さんにも伝わって、みんなもウルってなってたみたいなんですね。

その時に私がしたのは、まさに愛を言葉にするっていう行為だったんだと思うんですね。後から参加者の一人に、「コーチの会社はうんとビジネスっぽいと思っていたんですけど、あなたのような社員がいたんですね。よかった。コーチングを選んで。」って言われたんです。その時、私は「ああ、私はこれがやりたいんだ」って思ったんです。あの時は通訳でしたけど、私は、人に真理とか愛とかを啓蒙するってことをやりたいんだなと。

−−私がいうと、ちょっと軽い言葉になっちゃうんですけど、今言われたことって、言葉で伝えていくっていうよりは、オーラ感というか場で理解することを人々に伝えていくってことなんでしょうね。

川本:そうです、そうです。歌詞がわからないのに、その歌をきいて、涙するような感じ。波動と言ったり波長といったり、状態が伝播する感じ。あれは、最高でしたね。その時、こうも思いました。「あ、これはもっと昔にも、きっとやっていたんだ」って。それをまた、名誉でも自分のためでもなく、やっていきたいって心から思ったんです。

また、違う話なんですが、私が好きな言葉に、ポストモダン派の心理カウンセラーのハーレーン・アンダーソンさんの「コラボレーティブラーニング」って言葉がありまして。彼女は在り方自体が素晴らしいんですが、お会いした時に、こう言われたんです。「ここに私もいて、あなたもいて、みんなでコラボレートしながら学習していくのよ」って。それ以来、自分が研修するときも、勉強するときもそんな事を目指してるかな。私も立場上いうけど、この人も発言を通して、他の誰かがなるほどと気づきが生まれるような。当初は予想もしないような気づきは、人数ができるからこそできることですものね。それはとても心がワクワクすることなんです。

−−その言葉、私もいただいちゃいます(笑)

川本:どうぞどうぞ。それでいうと、このインタビューもそうじゃないかなと思うし、境界線研究所っていうのもそうなんだと思うんですね。

−−!!そう言っていただけると嬉しいです!!

川本:ふふふ。越智さんの素晴らしいところは、言語に当てはめることができる才能があるところだと思うんですよね。そうすることで、言葉を受け取る方も考えるキッカケになると思うんですね。

要は、境界線は一見あるようだけど、それを超えながら我々は生活してる。境界線があるっていうことで、コラボレーティブな交流がはじまって、最初始まった時は、まさかこんな事になるとは思わなかったよねってところまでいって、充実したってことになる。って事だと思うんですよね。

それは、最初の質問と関わるところですけど、人と関わる意味があるって言っていたのはそこのことですよね。時には、カウンセリングに来られた方に時に厳しいメッセージを伝える事もあります。でも、その人がそれを受け取って、どうするかはその人の魂が決めるんですよね。鵜呑みにするわけでもなくて、迎合するわけでもなくて、やっぱり考える必要があるんですよ。選択権はいつも、その方の中にあるので。

−−恵さんの意識のフィールドがすごく広がっていってる感じがしますね。

川本:そうですね。

−−意識のフィールドは広がりつつ、コーチ的な部分の関わりとかスタンスとか、そこら辺の活動が拡張されていっているように感じています。

川本:うーん、それはコーチっていうのを広義でとらえた場合だと思うんですね。狭義で捉えるとパフォーマンスの向上とかゴールの達成とかになっちゃうけど、今話してるのってもっと広義ですよね。

−−そうですね(笑)ごめんなさい、そこは私自身も最近、狭義の部分から離れたコーチになっているからかもしれません(笑)

川本:ふふふ(笑)でも、おっしゃっているのは、その通りだと思いますよ(笑)
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今後の展望について

−−では、最後に恵さんに今後の目標というか、展望についてお伺いしたいです。

川本:色々と言いたい事はあるんですけど、「これが真理ですよ」とか言っても、伝わらなかったらダメだと思うんですね。せっかく生まれてきたんだから、自分の事を愛して大事にして、イキイキと生きようぜっていうのが、私のもともとの出発点なんですね。それは、金があるから幸せとか仕事があるから幸せとかではないんです。

人は、もともと、そういう権利があって生まれていると。そういうようなメッセージをもっと平易な言葉で楽しく伝えるワークショップをやっていきたいなと思っています。ちょうど明日、名古屋に行くんですよ。最近、地方でのワークショップって下火だったんですけど、少人数でもよいので、そういう場をもっともっと肩の力を抜いて自然発生的に、できるようにしたいですね。

意識が発生すると、場ができると思うんですけど、そういう場をつくりこむのではなくて、そういう場ができるのを”止めない”ということですね。あんまりね、マニアックにして届くべき人が受け取れないのは、本意じゃないんですよね。そこをナビゲートしていきたいです。

そのためには、なるべくわかりやすいメタファーとか喩え話を用いて伝えること。ユーモアもあるしわかりやすさもあるし、納得感もある。そんなところを目指していきたいですね。昔から、よく言っていただけるんですよ。「恵さんの言う言葉はちゃんと伝わります」って。自分ではあまり大層なことは言ってるつもりはないのだけど(笑)そういうフィードバックを、昔は、うまく受け取れなかったんですけど、最近はギフトとして、ありがたく受け取って、活かしていきたいと思っていますね。

読者の皆さんに伝えたい事

−−ありがとうございます!最後に読んでいる方に伝えたいことってありますか?

川本:これから、いろんな要因で体調を崩す人、メンタルに元気ない人が増えるかもしれません。でもね、自分自身のオーラをよくすることで、治るんですよ。そういうこともお伝えしたいです。人間は薬を飲まないと治らないみたいに洗脳されてるところあるじゃないですか。

−−日本もうつ病薬の使用量も世界何番目だ、とか聞いたことがあります。

川本:そうそう。それはさー、どう考えてもお金ですよ。でも、無理して破傷風になってるところを気合で治すとかじゃないんだけど、誰でもそういう自分で治していく力があるって言うことを、普通に伝えたいですね。天候不順や天災も含めて色々とこれから起こるかもしれないけど、恐れることはないってことです。

−−ちょうど来る時に、恵さんのブログを拝見してたんですけど、タイトルにも本文にも「ゴキゲン」って言葉をよく使われてますよね。なんか、話を聴きながら、その意味が分かった気がしました。

川本:そうなんですよー。けっこう、意識的にいれてます。

−−楽しいって感情って、人のベースになる欠かせない力だと思うんですよね。それをゴキゲンって言葉で恵さんは伝えたいんだなぁって。

川本:うんうん。キャピキャピじゃない軽やかさがほしかったんですよね。それを言われて、こんな話を思い出しました。

今、地球の人口って70億近くいると思うんですね。でも、この世に肉体をもって生まれてこれる人って実はわずかで、本当は地球に来たがってる魂って、もっといっぱいいるんですって。それくらい地球って色々と体験できる素晴らしい場所なんですね。

それを表現するのに、ダライ・ラマさんこんな事をいっていました。
砂漠で、人差し指の先をちょっと濡らして地面に指をつけると、ちょっと砂がつくじゃないですか。その指についた砂を指して、「今、地球上にいる人口はこれくらいだよ」って。そして、それ以外の砂が地球で再生したがってる魂なんですって。

それを聴いた時に、うわー、生きてるだけですごいんだって。産まれるっていうのは、それくらい稀有なことなんですね。だからさー、今はつらいと思うことでもひょっとして魂たちがいろんなことを乗り越えるために、自分に課していてる課題なのかもしれないわけだし。いやー、そう思うだけで、全てゴキゲンじゃないのって思いますよ。

その視点にたって、辛いこととか思うと、色んな事がなんてことないですよ。そして、それは時間の経過と共に過ぎ去るものなんですよ。

私は、そういう事を話せる人になりたいし、それを聴いて、自分の人生に新たな光をあてて、見なおして、元気になって、せっかく生まれたんだから、魂分生きていこうよっ!てことをシェアしたいですね。

−−いやー、すごいですね。

川本:まあ、そういう意味で言えば、文句言うなってことだし、憂うなってことだし、深い感謝を持ちましょうってことですよね。こういうことを話させてくれる場だったので、今日はありがたいなと思って。

−−いえいえ、こちらこそありがとうございました!今後のご活躍も楽しみにしております。

【越智:編集後記】
今回、第一回にして、スピリチャルという未知の分野に挑戦してみたのですが、恵さんの持っている想いと人生とを聴くにつれて、私自身、人生の中で大事にしたい部分を取り戻せたような気がいたしました。普段、我々は思っている以上に、世間の常識や慣習に縛られているかもしれません。ですが、それを一度取り払って、在り方としての職業について、もっと思いを巡らせてもよいかもしれない、と感じた次第です。

川本恵さんのHPはこちらです!
川本恵のグラウンディング・メッセージ

グラウンディングワークショップは随時開催されておりますので、ご興味ある方は参加されてみてください。

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