アーカイブでは越智孝之が行ってきた過去のインタビュー集を掲載していきます。
リンクは、2015年9月にパーソナルコーチの石原夏子さんのインタビューをしたものです。
人と関わり続ける事への決意と、感覚的に自分自身も見つめ続ける真摯さを兼ね備えたなっちゃん。その審美眼的な感覚の根底についてインタビューしてみました。
現在の職業とコーチングとの関係
夏子:政府系の研究機関で有期職員をやっています。色々な契約のお手伝いをしたり、協力会社さんとのやり取りをしたりという感じです。
–両立されているんですね。
夏子:はい、比較的時間に融通がきくので、それを活かしてやらせてもらっています。最近は、もう少しコーチングに力を入れていきたいと思っていますね。
–そうなんですね。なんだかコーチングという行為をすごく大事にされている感じが伝わってきます。
夏子:自分に合っているんだと思います。ですが、コーチングをきちんとやっていくためには、外から見えないところで、自分の中でいろいろと戦っていたり、チャレンジしていたり、そういうことをしないといけないな、と思っていて、最近は勉強しながらもそういう感覚を高めていますね。
–プロコーチには必要な視点ですね。
夏子:結局、自分について分かるということが、クライアントさんについても分かるということだし、人間について分かるということだから。自分を見ていかないと、やっぱりそこはクライアントさんと接するときに抜け穴ができる(笑)と思っているから。そんなこともあって最近、私の内側ではいろいろと起こっていますね…。
コーチ石原夏子の特徴
夏子:そうですね、本音を話せる、すごく安心するとか、その場に一緒にいてくれている、というのはよく言われます。結構、感覚が鋭いタイプなので、クライアントさんが自分の感覚に入ってくると、ビジュアルで表現が浮かんでくるんです。
同じ空間にいて、同じものが見えている、みたいな。そこに私が、さらにこうなっていきたいんじゃないか、みたいな私のビジョンを乗せていったり。クライアントさんが自分では気がついてなかったけれども、「言われてみるとそうだった」みたいな、景色とか質感とかの感覚を伝えるのが得意だと思います。
–例えば私の場合は、体の感覚というよりは、映画みたいにイメージがみえるんですけど、そうではなくて体の五感で感じるということですか?
夏子:脳内に映像がバッと浮かぶというよりは、ある、ひとつの景色の中に一緒にいる感じというのかな。でも、景色はなんか見えてますね。だから、今こういう場所にいるね、とか、今こういうものが見えたんだけど、という事をクライアントさんに返したりしてます。
–その場にいるような感じですね。
夏子:立体で見えるような感じですかね。その、自分の周りの空間が。遊園地に行くと、なんかの部屋を開けると、いきなりジャングルの中に入ったりするようなのがあるじゃないですか。いわば、そんな感じですね。
–なるほど〜。
夏子:だから、例えば、今すごく手を動かしたくなるんだけど、と言うと、相手も動かしているとか。そういう感じって、すごくクライアントさんも安心するというか、嬉しいみたいですね。自分が見えているものを、コーチも一緒に見てくれている、みたいな感じですね。そういうところで、安心感を持ってもらえるみたいです。
–ふむふむ〜、勉強になります〜。
夏子:「つながっている感」みたいなものができると、ある意味、どんなセッションでもいいといいますか、何か(起こることが起こるな)みたいな感じになるんですね。そういう、すごく言葉で説明しづらい、特徴があります(笑)。
コーチングを届けたいクライアント
夏子:それは難しい質問ですね〜。実は性別とか年齢とか職業とか、あまり関係なくて。人はそれぞれ、もって生まれたものがあって、本質的な部分で「これをしなさい」と言われていることが、多分あるはずなんだと思うんだけれど、それが何か分からないとか。それが、ある気がするって信じている人。でも今は見つけられていない、見つけたいと思っている人。そういう人だという感じがします。
–年齢とか性別とかの表面上の違いではなくて、もっと根本の想いの部分ですね。
夏子:私のクライアントさんには、生活自体に何も不満がないという人が結構多いんですよ。例えば、「今の職場が嫌で嫌でたまらなくて転職したい」とか、ではなくて、「今の職場も今やっていることも、なにも不満もないけど、このままでいいんだろうか」みたいな感じの人とか。世間から見た成功とか失敗とか、素敵だねとか素敵じゃないねとかではなくて。自分にとっての本当に一番いいこと、自分が本当に芯から喜ぶことは何なのか?というところを探したいと思っている人…という感じですね。
–ふむふむ。
夏子:不思議とそういう人が、捕まえに来るわけなんです、私を(笑)。
–おー。
夏子:だから「あっ、捕まった!」「見つけられちゃった!」という感覚があるわけなんです。そういう意味では本当に、条件的にはお子さまからお年寄りまで、どんなことをしている人でも、多分、いいのかなと思うんですけどね。
–なんだか根底でなっちゃんを必要とする人と“つながってる”っていう印象をうけました。
夏子:そうかも!
–そう思うと、どういう思いがでてきますか?
夏子:ん〜、そうだな。自分のこともクライアントさんのことも結構、長いスパンで見られるようになる感じがありますね。なんていうんだろう…、人間も自然の一部なので、一人一人の人間の中にはみんな、それぞれの「自然」があると思っていて。自然って、やっぱり順番どおりに全部起こっていくじゃないですか。種が埋まって、芽が出て、花が咲いて、花が枯れて、実がなってとか。
川の例で言うと、山のてっぺんから沸き水が出て、ちょっとずつチョロチョロ水が流れているのが次第に集まって、それが段々と太くなってきて海に流れるみたいに。でも、別にそれを効率化しようとする人はいないじゃないですか。
–そうですね。
夏子:源流からいきなり、そこの水を河口にもってきて流そうということは思いつかないし、そういうことをしてもしょうがないというか。それでは川ではなくなってしまうし。だから、その一人一人の歩いていく道とか変化にも、やっぱり、ちゃんとそういうふうに流れがあって。そこをちゃんと見えるようになるというか。
–分かります。まるでエネルギーを流しているような感じですよね。
夏子:そうそうそうそう。慎重にこの場所にいるということを味わいながら、ちょっと窪みに溜まっているところがあるとしても、今は大事なところなんだな、みたいな感じですね。それでコーチとして大事なのは、海に向かって流れていく本流をちゃんと見ていてあげることだと思います。途中では支流も、多分たくさんできると思いますけど、支流にいっているところを、そちらでないですよということをちゃんと見られるように、その人の本流を見ているというか。みんな、つながっていると思うと、そういうことが見えるのかな~と思います。
–そのつながりを、こう、サポートするというか、流れをうまくキレイにしてあげるということですね。
夏子:そうそうそう。いいよ、いいよってね。今は苦しいかもしれないけれども、正しいところにいる感じがします、がんばって、と言ってあげるとか。
すごく元気になってはいるんだけれども、そっちでいいんでしたっけ?って訊いてあげるとか。そうすると、なんというか、ボロボロになるまで冒険できるわけですよ。ぐちゃぐちゃになって、「何が起こってるのか分かりませ~ん」ってなっても、コーチが本流に戻してくれる。その(比喩的な意味で)命を預かっているようなダイナミックさは、やっぱり、コーチングにしかなくて、コーチングのいいところなんだ、と思います。
–そうなんですよね。コーチって、クライアントさんにチカラを取り戻してあげると言いますか。なんか、そういうことをする仕事ですよね。
夏子:そう。そういうふうになりたいし、そうなるためには、やっぱり・・・それって、スキルとか知識じゃないじゃないですか、そこっていうのは。そうすると、自分が全部真っ白でクリアになって、そういうクライアントさんの本当にコアなところを、ちゃんと感じられる状態、きちんと気が付ける状態になっていなければいけないから。
コーチングとの出会い
夏子:多分、中学生ぐらいの頃から人に興味があるんですよね。ものごととか、何かを達成するとかよりも、わりと人自体に興味があって。
–人のどんなところに興味があったんですか。
夏子:この人は、どんな人なんだろう?とか、どんな性格なんだろう?とか。だから、社会人になっても、仕事と恋愛しかしてないんですよ。他の人は旅行に行くとか、趣味とか勉強するとかしてたんですけど、結構、私は人に向かうというか、恋愛体質というか(笑)。なので、自分にも興味があって、よく心理テストをしたり、自己啓発や心理系・哲学系の本を読んだりしてましたね。自分は何ができて、どんな人なのかとか、本当に楽しく自分らしく生きるにはどうすればいいだろう?みたいな問いがあったんだと思うんですね。
最初の会社に勤めたときも、あまり自分に向いているとは思わなかったので、暇なときに色彩の勉強をしてカラーコーディネーター検定の資格を取ったりとか。色が好きだから、色系のことがいいんじゃないかなと思って。他にも何かやれることはないのかな、と探している感じがずっとあったような気がします。だから、コーチングにも自然に意識が向いていったということですね。
–コーチングをうけてみて、学んでみて、ご自身にどんな変化がありましたか?
夏子:CTIの基礎コースっていうのがあって三日間行ったんですね。そしたら一日目、二日目、三日目と段々と夜眠れなくなってきて(笑)。3日目終わったときには、もう、一睡もできなくて。
–ええー!
夏子:アタマの中で、「こういうことだったのか!!」みたいな感じで、ドッカンドッカン噴火が起きたみたいになっちゃって、一晩中、ずっと涙が流れっぱなしになってしまって。なんか今まで自分が見られてなかった部分に気づいちゃったんですよね。それまでは、全ての人は尊くて素晴らしいということを言われても、実際に自分が職場で仕事をしたりする中で好きになれない人も当然いっぱいいますし、本当にそうかなって思うじゃないですか。でも、人は一人一人全然違うんだ、そして本質的なところはみんな素晴らしいんだということを、これからも信じられると思った、というか。そうしたら、それまで嫌いだとか苦手だとか思っていたような人ほど、すごく会いに行きたくなるわけなんです。
–内側からのすごい目覚めですね。
夏子:そうそうそうそう・・・そうなんだ!みたいな。だから、その人だけのステキなところがあるんだ、ということが分かりましたね。
–なっちゃんのエネルギー感のルートはそこなんですね。
夏子:そう、そこなの。いつもそこなの。だから本当に、どんな人でもそうだということが分かっていれば、あとは、もう、分かるだけじゃないですか。
見ている方へのメッセージ
夏子:そうですね〜。ここを見ているあなたは、あなたの人生を生きてますか?もし、何か探したいということであれば、お手伝いいたします!
–ありがとうございました!!