アーカイブ:福田昌子さんインタビュー

アーカイブでは越智孝之が行ってきた過去のインタビュー集を掲載していきます。

リンクは、2015年7月にパーソナルコーチの石田奈央子さんのインタビューをしたものです。

プロコーチとして活動をされる傍ら、老舗和菓子メーカーでお客様相談センター部長をされていた(インタビュー当時)福田昌子さん(通称:しおさん)。社会人として母として娘として、自身も苦難を乗り越えながら、様々な人の人生に寄り添い全力に生きることをサポートし続けるしおさん。「いつも先駆者でありたい」というその願いの源泉を探るべくインタビューをしてみました。

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コーチ福田昌子ってどんな人?

“母からのバトンを引き継いでいきたいっていう自覚があるし、うまく次世代に渡していきたい”

–まずは、しおさんの人物像についてお伺いしてみたいのですが、いかがですか?
しお:ということであれば、ちょっと昔の話からしてみたいと思います。私、小学生の頃は、獣医(鳥専門)になりたかったんです。父は医者を勧めていたんですけど、私は「人が死んじゃうのはやだ。でも、動物だったらその死も客観視できる」っていう事を考えていたんですね。そんな小さい頃から、死とか人生ということを考えていたんです。多分、医療みたいなニッチな分野が好きだったというのもあったと思います。

–命に対しての興味が強かったんでしょうね。
しお:そうなんです。でも、教師をしていた母からは、「公務員だったら安定しているから教師になりなさい」とずーっと言われてました。で、そんな色んな人の思いを抱えながら、間をとるように農学部で生物の世界に入っていきました。で、大学で過ごすうちに研究職に興味が傾いてきたんですが、でも、教師の免許はとっておこうと。なので、教育実習に行ったんですね。実習自体は、うまく行っていき、教員になるのもいいかもくらい思った時期もあったんです。ですがその時に、クラスで飼っていた鶏が死んじゃった事件が起こって。

–あら!なんだか鳥のお医者さんを目指していたしおさんの宿命のような…
しお:だれかが檻の鍵を閉め忘れた事が原因だったみたいなんですけど、指導教官から、私にその犯人探しみたいのを仕切らされたんですね。それがけっこう大変で、一気に教師への気持ちが萎えてしまったんです。私には、人と関わるなんて無理!みたいな。結局、教員試験は受けませんでした。

–そうだったんですね
それで、今のお菓子会社の研究職の仕事につくわけなんですけど、入社した時に、研究職とはいえ、店舗での営業研修を受けるんです。ほんとは人と関わるのが嫌だったんですけど、泣く泣く行ったんですね。でも、その接客の仕事が思いの外、楽しくて。お客さんと喋るのは楽しいし、お菓子の成分について考えながら売るのも好きだったんです。だから、人嫌いって言ってたはずなのに、3ヶ月たつ頃には、離れたくなくなってて(笑)

–そこら辺から、人と関わることへの興味がでてくるわけですね。
しお:コーチを始めるときにも、母に言ったんです。「教師への道は選ばなかったけど、人と話をして導いたりとか勇気を与える仕事をやってみようと思うんだ」って。

–なんだか職種は違いますけど、結局人に関わる仕事を選んでいるところに、なんか因縁めいたものを感じますね。思いを引き継いでいるような。
しお:そうですね。「引き継ぐ」っていうのは、私のひとつの価値観なんです。父が大学生の時に亡くなったのもあってか、母はずっと社会で戦ってきたんだと思うんですね。あの時代にして、ワーキングマザーでしたから。色々と大変な事があったんだと思うんです。私のどこかにその母からのバトンを引き継いでいきたいっていう自覚があるんだと思うし、うまく次世代に渡していきたいとも思っているんです。

あと、父を早くになくしたのと、その時の後悔のような気持ちもあって、コーチングとは別にグリーフケアも学び始めたのだと思います。

コーチングとの出会い

“上司から「この職場は、裁判の被告席のようなところだから」って言われて。でも、私はなんか違うんじゃないかな?って感じていたんです。”

–では、ここでコーチングに出会ったキッカケについてお伺いしてみたいと思います。
しお:子どもが生まれた時に、子育てのためのコーチングみたいな本を発見したのが最初でした。気にはなったんですが、その当時は、よくわからなかったので、放置しておわってましたね(笑)。でも覚えてるくらいなんで興味はあったんだと思います。

–その後、どこかで必要性がでてきたんですかね?
しお:そのあとに、会社のお客様相談センターに配属された時でした。私が配属された当初って、聴く側であるわたしたちがすごくマイナス思考だったんですね。クレームを受けるような立場なので、みんなマイナスな思考になってたんですよね。ある時、上司から「ここは、裁判の被告席のようなところだから」って言われて。でも、私はなんか違うんじゃないかな?って感じていたんですね。それを変えるのに、コーチングを思い出して学びはじめたんです。お客さんの怒りの裏をもっと聴きたいと。あと、職場の人間関係も改善していきたいとも思ってましたね。

–ご自身がコーチングをうけてきて、どんな変化がありましたか?
しお:私、コーチングを学びはじめて、その講座の中で「和菓子と私で人を幸せにします」っていう宣言をしたんです。その宣言は今も成長中なんですが、私の進んでいく方向がそこにあるっていうことに気づかせてもらった気がしています。

で、私、学んだら活かさなきゃ気がすまない人なので(笑)、そんな宣言もしたので、会社の中にコーチを呼んで、社内でコーチングの研修をやってみたりしてました。しかし、上司が思っていたコーチングと差があったみたいで、中止になってしまいましたけど(笑)

–どんなところが、会社的に受け入れ難いところだったんでしょうか?
しお:普通、コーチングっていうと、指導するためのコミュニケーションスキルみたいな風に考えられてるじゃないですか?でも、私が学んでやってきたコーチングは、もっと人の価値観に寄り添いながら、対話をして、その人を導くっていうところにあったので、ちょっとセラピー的な視点ともとれる事をやっていたんですね。そこを見られて、上司がびっくりしたと(笑)そういう感じでした。

しおさんにとってコーチングとは?

–なんだか、色んな逆境を経験しつつも、進むしおさんの姿が見えてきました。では、しおさんにとってコーチングっていうのはどういう存在なんですか?
しお:資格試験に落ちた時とか、もう絶対やりたくないと思ったりもしたんですよね。でも、続けていて。そこには、さっきも出てきましたが、教師だった母との関係がなにかあるような気がしてます。私自身が母として女性として、人に関わっていくことで追いついていきたいっていう思いがあるのかもしれません。コーチングやグリーフケアは、その現れの一つのような気がしています。
でも、同時に追いつかないでもよいような気もしていたりして、なかなか複雑な部分でもあります(笑)。

私にとってコーチングとは、自分自身のみずみずしい感情の存在を思い出させてくれたものであり、「自分の人生」をより意識させてくれたものです。クライアントとしてコーチングを受けたことで、心の鎧がとけて、自分が感情ある動物であることを思い出しました。また会社の為でもなく息子の為でもなく、自分の為に自分の人生を生きてよいということを思わせてくれたものです。

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どういう人にコーチングを届けたい?

“いままで働いてきた事に一区切りつけて、次に踏み出そうとする人に惹かれますね。”

–では、しおさんはコーチングをどんな方に届けたいですか?
しお:急な話ですが、作曲家のヴェルディが、晩年に音楽をやったことがある高齢の人が集まる施設を作ったんです。認知症にもなっちゃっているんだけどピアノの前に座ったらピアノが弾けるとか、ほかのところは表情がないけど、音楽ルームに集まって、そこは音大生が練習とかに使っているところで若い仕事になっているんだけど、そこだけだと笑顔になるとかとかあるみたいで。それを聴いた時に、そこのホスピス版を作りたいなって思いがあって。

–やっぱりエンディングに興味があるんですね。
しお:職場で60以上の人と働いた時に仕事のエンディングがぐちゃぐちゃなんですよ。せっかくそれまでいっぱい売り上げ高めてきて本当に頑張った人なんだけど、若い人とうまくコミュニケーション取れなかったり、若い人に指示されるのが嫌だったりとか、遊んで暮らしたいとか、そういう事が多々起こっているんですね。立とうとしてる鳥、後を濁しまくりなわけ。それ嫌だなーと思って。後を濁しまくりだと、せっかく若い時に立ててきた功績が、幾分若い時も知ってる私からも濁しまくりだよなと思うし、自分のやってきた後ろの残してきた足跡まで濁してるじゃんと思って。自分のピークが終わったあとをさらに美しくしたいという気持ちに惹かれることが強いですね。

–人生の第二楽章的のサポートという感じですね
しお:そうです。別に人生の終わりという意味ではなくてもいいんですが、いままで働いてきた事に一区切りつけて、次に踏み出そうとする人に惹かれますね。アスリートの方の競技の次の人生というところもそうかもしれません。それと育児・介護・看護がひと段落しこれから自分の人生を生きていきたいという人。何か大きな喪失(=グリーフ)の直後だったとしたら、グリーフセラピーとしてそれを癒してから、歩き出すサポートを開始します。

見ている方へのメッセージ

–では、最後にこのサイトを見ている方にメッセージをお願いします。
しお:第二の人生を輝かせていくためのお手伝いをしたいと思っておりますので、ご興味ある方は、ご連絡くださいませ。

–ありがとうございました!!

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