チームワークと聞き上手を経済産業省「社会人基礎力」から考える

2006年に経済産業省が発表した社会人基礎力の中で、仕事をする上で必要になる3つの能力と12の能力要素が発表されています。

その中のチームワークの項目の中に「傾聴」というワードが入っています。内容としては「相手の意見を丁寧に聴く力」と記載があります。

下記の図によると学校などで学んだ基礎学力や専門知識を活かすのが社会人基礎力であり、そのベースには人間性や基本的な生活習慣が背景にあるようです。

ではなぜ、チームワークに「相手の意見を丁寧に聴く力」が必要になってくるのでしょうか?

聴くことはチームの要で潤滑油

私たちは、社会に出ると、とたんに自分の意見を求められるようになります。書籍やテレビや雑誌でも個として意見が確固たるものであることが最良のことのように感じることも多々あります。

もちろんのこと、それも一理あるのでしょう。実際に誰かがよいアイデアを積極的にだしたり、引っ張っていかなくては新しい事業やチームはなりたちません。

ところが、チームワークというものを考えた時には、全員が「私も私も!」だと逆に物事は進まなくなります。だれかが、AさんやBさんの発言の間を滑らかにしてあげてこそ、本当の意味でチームが輝いてくるだけではなく、いままでにないアイデアが生まれるのです。聞き上手は、チーム全体に大きく貢献するポジションなわけです。

つまりは、自己主張ではない積極性が、逆に大勢の役に立つわけです。これは、集団のスポーツ経験者の方であれば、経験的に納得できるかもしれません。一人だけが強くても、結果の残せるチームだとは限らないのです。

和を尊ぶ日本人だからこそ、自己主張ではない積極性で勝負

上記で、「自己主張ではない積極性」と表現しましたが、ここは非常に重要なポイントです。

アメリカの心理学者リチャード・E・ニスベットが「木を見る西洋人、森を見る西洋人」の中で、そもそもの認知構造の段階で、西洋人と東洋人では物事の捉え方が違うことを明らかにしました。この本によると、東洋人は、物事の環境を含めた全体性や関係性による複雑さに注目すると言われ、一方で西洋人は論理的で直線的な思考に注目するとされています。

「空気を読む、場を読む」という言葉がありますが、まさにそんな日本人だからこそ作れるチームワークというのがあり、その鍵の一つは聞き上手なのではないか?というのが私の意見です。

そんな自己主張の形もいいなあと思います。
注力している人もあんまりいないので、今からの聞き上手市場はチャンスですよ♫