即決・決断の手前で考えたい悩み・葛藤の活かし方

「決断しなければいけない」という場面は、人生のいろんなところであります。
小さい事柄もいれれば、人間は一日に数千回決定を下しているというデータもあるくらいです。

日々、大小含めて色々な決断がある中で、ひとつの考え方として参考になればと思い、記事をかいてみました。

前提として言っておきますと、私は冒険するほうに決断することが必ずしもよいとは思っていません。成功哲学のようなものだと、「決断できないやつはダメだ」「10秒で決めろ」などという話になってきますが、それはそれ。

私としては「どんな決断をしたか?」よりも「よりよく悩んだ経験」自体のほうが大事なことだと考えます。

答えのない現実の中では、1回の選択の良し悪しの評価よりも、今からの人生にたびたび活かしていける力のほうが有意義なのではないかと。

「そんなことよりも、スパッと解決する方法を教えてくれ!」というような、後押しを望むような意見があるかもしれませんが、この記事では、一度そういう観点からは離れて書いています。

あなたの決断体験が、より実りあるものになるような、そんなサポートができればなによりです。

まずは用語整理

まずはじめに用語について整理します。が、他ジャンルの言葉が入り乱れ、本当に伝えたい点がぼやけてしまうので、ほどほどにしています。ご容赦ください。
※私ももう少し勉強します。

葛藤とは?

用語の意味としては、2つの意味があるようです。

「1」人とが譲ることなく対立すること。争い。もつれ。
「2」心の中に相反する欲求が同時に起こり、そのどちらを選ぶか迷うこと。

出典:三省堂大辞林「葛藤」

今回の記事では、「2」の個人の心の中での事象を扱います。フロイトが定義して以来の心理的な葛藤のほうです。

つまり、心の中に共存できない相反する欲求が存在し、その中の一つを選ばなければならない。という状態とします。

参考:コトバンク

ジレンマとは?

似たような用語に、ジレンマがあります。

二つの板挟みになり選ばないといけない状況ではあるけどもどちらとも選べない問題そのもののことです。
細かくは色々とあるのでしょうが、今回の記事の中では、葛藤の中に含まれるものとして扱います。

例:ジレンマを抱えて葛藤している

矛盾とは?

矛盾とは、双方が真実であることがありえない状況のことです。

字の由来どおり、なんでも突き通す矛と、全ての矛を防げる盾は同時に存在できないような状況のことです。どちらか(または両方)が、真実ではないという意味になります。

本記事では、本来的にはここも大事な要素として入り乱れてくると考えているのですが、わけがわからなくなってくるので(笑)、ちょっと脇においておきます。

決断とは?

決断とは、意思をはっきりとひとつのことにしてしまうことです。

つまりは…

つまり、この記事では、
決断の前には大なり小なり葛藤(ジレンマ含む)という悩みがあるという前提で書いています。

葛藤の中に潜むもの

ここでは、葛藤が起こっているときに、内側に発生しているであろうことを整理します。あたりまえのように感じる項目もあるかもしれませんが、渦中で見ると「そうだった」と冷静になるキッカケになればなによりです。

不快感

これはまっさきに感じることかもしれません。
「うーん、こまった。どうにかしてくれー。くるしー。早く抜けたい」みたいな。

不快な状態は、人の気持ちの状態を下げて、継続的に続くことで判断を鈍らせてしまいます。
そわそわしてしまって、他の事が手につかなくなったりして。

悩みの間は取り去ることが難しい不快感ですが、一つ対処としては、起こっている問題を整理することが重要かと思われます。悩みの全容がわからない状態というのは、不気味で違和感が大きくなるばかりなのです。

恐怖

葛藤を語る上で、深い部分で大きく発生してくるものが恐怖という感情です。

大きな葛藤になればなるほど、恐怖の大きさも増す上に&当然のものから過去に紐づくトラウマ的なあれこれまであるので、完全に拭い去ることは難しいわけですが、重要なのは自分の中で感じている恐れを認めることです。

ここに気づけないと、不健全な状態になっていき、何を選択するか?ということよりも、恐怖を回避することが最優先になっていきます。そうなると、大抵は、現状に近いほうを選択することになってしまうでしょう。

恐怖自体は感じて当然なのですが、アンコントロールなほどの恐怖は選択の可能性を狭め、どんどんとハードルを上げていってしまう要因にもなるのです。

恐怖の一例

・損をして後悔をする恐怖
・結果、思ったように進まないときの恐怖
・周囲の人に迷惑をかけてしまう恐怖
・自分の人生観、世界観が変わってしまう恐怖
・死の恐怖

めんどくさいという気持ち

同様に「やったらいい」とはわかっていつつも、この先の手間と苦労を考えると憂鬱ということもあります。先回しにしていいや。というような。

例えば「ダイエットしたらいいのはわかりつつも、なかなか気が乗らない」
「転職したいなーと思うけど、なにしていいかわかんないから動けず」などなど。

社会人にはおなじみ「時間がない」という理由で多く聞こえてくるものです。
ぴんと来ない、危機感を感じているわけではないなど。理由は様々

こういう場合は、本当に自分が今するべきことなのか理由を考えつつ、やるのであれば少しずつ慣らすというのが重要です。
スモールステップで少しずつ。

常に一本釣りで大きな獲物を仕留める必要はないのです。

複数の自分による複雑な感情

葛藤というのは、いうなれば、いろんな方向の意見が飛び交っていて、身動きが取りづらい状況です。

それは、言い換えると、複数の人が自分の中で喧嘩しているような状況とも言えます。昔のアニメなんかではよく頭の中で天使と悪魔がでてきて、ささやきあうような描写がありましたが、まさしくいろんな方向の人がいるのです。

あなたが会社でマネージャーだとしたら、部下数人が全く違う方向を向いているような、似たような状況があるかもしれません。心理的にもそれに近い状況になります。

その中には、自分以外の過去影響を受けた誰か(親、祖父母、教師、友人たち)が住んでいる可能性も多々あります。

葛藤、決断を有意義なものとする一考の余地のある考え方

1,今の状態は健全たるか?

冷静じゃないときに、えいやーでしてしまう決断ほど、危険でもったいないものはありません。あとででてきますが、葛藤自体は非常に健全なものだと私は捉えています。誰にでもあるし、それがないと人は生きられないとも言えます。

ですが、それが過剰なほどに自分を痛めつけてしまうときや恐怖が強すぎるときは、許されるのであれば一度冷静になる時間や空間を用意するのがよいでしょう。

これは筋トレに例えることができます。健全な状態でのトレーニングは筋力アップに繋がりますが、疲労が溜まっているときにするトレーニングは逆効果となります。

そのためには、決断の前に、自分自身の状態に気づけるようになるよう気をつける必要があります。

私のやっている対話パートナーでも、あなたの心にスペースをつくりつつ、次なるステップを歩むお手伝いをしています。

おち対人コミュニケーションデザイン事務所〜対話・インタビュー・心理学〜新宿区西早稲田

対話パートナーとは、コーチングやカウンセリング、セラピーの技術を応用しながら、創造的な対話を通して相談者が語る人生の物語…

2,どれを選んでも100%の解決はないものが、本当の葛藤

前の項目で、「めんどくさい」というものがありましたが、これはある意味解決があるので、語弊を恐れずいえば、あまり大した葛藤ではありません。なぜなら、どちらの方が必要か明確だからです。(ただ、その奥に深いテーマがあることも多々ありますが)

本当の葛藤とは、どちらに進んでも、同じように違う道が待っているような選択のことを言います。一筋縄では解決できないからこそ、あなたを一段上の存在へと成長してさせていく健全な要素になるのです。

3,本当の葛藤は成長に不可欠。

現代人は、ほとんどのことを「取り去る」方向で考えてしまいます。
断捨離に代表されるように、余分なものは捨てていく、という発想です。同様に、悩みもないほうがよいというのが主流な考えのようにも思えます。

これ自体は、全く間違った考え方ではないと思うのですが、葛藤自体は成長に不可欠なものであると私は考えています。もし全く葛藤がない人生があったとしたら、その人は、なんの応用力もない極度に打たれ弱い人間になるでしょう。少しずつの葛藤の積み重ねは、あなたを確実に人間的に成長させてくれるのです。

そういうと根性論のように聞こえてしまうかもしれませんが、そうではありません。

今までですら、確実にあなたは「乗り越えてきた」のです。
立てて、文字が読めて、運動ができて、考えることができて、これが何よりの証拠です。

意識はしていないかもしれませんが、どんな人でも、自然に過ごしてきた中で、うまくいかない悩みを乗り越えてきているのです。ストレスではなかったかもしれないですが、負荷を乗り越え、力に変えてきているという事実の側面にも光を当ててあげてみましょう。

その意味で、今の悩みは、あなたが未来を歩んでいく力をつけるために必要な試練なのです。

4,二軸で整理をするならば、多様な切り口を取り入れるべし

往々にして、究極的な悩みは、対極同士のせめぎ合いとなることがあります。
そんなとき、2つの選択肢について、下記のように、メリット・デメリットのような指標で整理することもよくあるかと思います。

これが厄介なのは、案1と2の性質が真逆であればあるほど、きれいに葛藤を生むということです。
あっちを選べばAは上がるけどBは下がるし、こっちを選べばBは上がるけどAは下がるし。みたいな。

真ん中にいようとすると、きれいに引き裂かれるわけです。
この状態が一番つらい。

心理的なきつさが生じるのは、選択肢そのものではなく、この両側から引っ張られるような状態にも大きな原因があります。

明らかにしようとしているようで、どんどん苦しさが増していく。
そんなときは、一旦決断から離れ、少し考えをシフトすることをおすすめします。

シフト方法1:今までの自分の”動き”も考慮する

一つは、いままでのご自身の傾向を時間軸の中で考慮してみるということです。二次元的に見ると、はじめての選択なことも多いかと思うですが、この選択肢を一度別の軸に置き換えてみて(図では質と量に置き換えました)、過去の時間軸で、あなたがどんな傾向にあったかを考えてみるという手段です。

※ここでは、過去は質を重視する方向に強くあったが、少し最近は量よりになってきたということがわかる

先程、よい葛藤は答えがないということを書きましたが、より多くの収穫を望むのであれば、今までしていない多様な経験をするほうが得るものが多いのは確かです。つまり、今まであまり選んでいなかった選択肢のほうに”あえて”バランスしてみるということです。

ここでいった”バランスを取る”とは真ん中にいることではありません。ある心理学者は、真ん中でバランスをとろうとする傾向のことを「それは真ん中に偏っているだけ」という表現をしましたが、そのとおりだと思います。バランスをとるとは、両極の中を適切に揺れてこそできることなのです。

また、対極の軸については色々とあるでしょう。この図では、質と量という概念で書きましたが、日常・非日常、自立性・関係性、男性性・女性性など多様な軸が考えられると思いますので、色々と試してみるとよいでしょう。

シフト方法2:両者の関係性を考える

先程とは別の話となりますが、両意見に人格を与えて疑似対話を重ねるというのもよい手です。「案1を選びたい自分」と「案2を選びたい自分」が、どんなことを思っている人物なのか、考えてみるということです。

冒頭の「複数の自分」という項目でも書きましたが、人は一人のようで頭の中に複数の人物が住んでいます。一人ということはないのです。

あなたは、ファシリテーターとして、一度分離した位置から、自分の内側に住む彼らの声を丁寧に拾っていくことをします。
そして、その対話の中で、あなたは様々なことに気づくかもしれません。

自分ではない誰かの存在に気づくかもしれないし、共通の思いにも気づくかもしれません。そして、彼らに対しての自分の思いというのもでてくるかもしれません。それは、あなたにとって大きな気づきとなることでしょう。

シフト方法3:未来を思考してみる。

これはいろんな自己啓発本でもでてくる考え方かもしれませんが、一旦この構図から離れて未来を考えるというのも重要な視点です。

一旦、こんがらがってしまった思考から抜け出してみて、大きな遠い視点を優先してみるという考え方です。それって現実逃避じゃない?と思われるかもしれませんが、メリット・デメリットのような考え方は、考えれば考えるほど、過去に大きくひきづられてしまいかねない考え方でもあります。しかもその過去は、単一の原因ではない複雑な組み上がり方をしているので、原因分析にハマるとどんどんと抜け出せなくなってきます。

しかしながら、ただ想像するだけだと弱いかもしれません。
そこで、こんな問を用意してみます。

「ある晩、あなたが眠りについている間に奇跡が起こり、そしてあなたの問題が解決してしまったとします。さて、眠っている間に奇跡が起こったことをあなたはどのようにして知るのでしょうか?何が違っているのでしょうか?」と。

これは、ブリーフサイコセラピーで有名なミラクルクエッションという質問ですが、私もセッションでよく活用します。「ん?答えでるかな?」と思われるかもしれませんが、すでに解決してしまっている日常の感覚を探ることで、葛藤のさなかで少し考えにくくなってくる、あなたが望んでいる状態というのが見えてきたりすることもあるのです。

5,どれを選んだかというよりも、進みながらリスクをリカバリーしていく力をつけるほうが適切。

どんな決断をするにも、覚悟が芽生えているのが理想です。

「ここまで考えたんだから、何があろうとリスクは自分で引き受ける」という覚悟です。

そうもいかないのが人間というものではありますが、この覚悟がないと、何を選んだとしても、いずれを選んだにしても訪れるリスクをリカバリーすることができず、後悔が芽生えます。その後悔は、あなたが前に進んでいくために使う時間を大きく止めてしまいます。

もちろん、やむにやまれずの選択もあるでしょう。そんなにスパッと割り切れないことのほうが多いとも思います。なので、常日頃からスモールステップで、ちょっとしたチャレンジのトレーニングをしておくのがよいでしょう。

決断力がついていない人ほど、急に大きな決断をしようとしてしまうのです。
前段の「めんどくさい」系の決断は、ここのよいトレーニングになります。

人生とは、想像以上にチャレンジできるものでもありますが、それと同様に想像以上に予測不可能なものでもあります。なぜなら、外的な要因を100%避けることができないからです。「まさか、自分が…」は、人生の中で必ず一度は訪れます。

それを想像するのはたしかに難しいのですが、日々の中のちょっとしたチャレンジトレーニングは、気がつけばあなたを成長させてくれていることでしょう。その力が、決断に際しても役に立つのです。

6,人は葛藤を抱え続ける存在である

理想的な人間像みたいなものの一つに、「芯がしっかりしている=発言に一貫性がある」というニュアンスを聞くことがありますが、すべてに対して筋が通って悩まない状態というのは、これは人類が未だ到達しきれない地点のようにも感じています。

多様性していく現代で、全ての視点に対して一貫性があるということ自体が大きな幻想のようにも感じています。芯があるというのは、そんな揺れに対して、相対的にぶれていないように見えるだけなのかもしれません。

それよりも、「葛藤はなくすものではなく抱えるもの。だから抱えながら進んでいく力をつける」というほうが、自然な人間像に思えますし、そうした葛藤を抱えながら前進して行く人の姿こそ、エネルギー高く、周囲に影響を与えるのかなと感じています。

7,どんな悩みを経てきたか?それこそが、あなたの創造性。

わーわーいろんなことを書いてきましたが、冒頭でも言ったように、私は悩むこと、葛藤することこそ、人生を豊かにしていくためのチャンスだと考えています。あくまで決断は、そのひとつの区切りというニュアンスです。

言い方を変えると、人はそれぞれ、身体も生まれも育ちも今いる環境も人間関係も違います。そんな中で発生する悩みの内容も時期も同一ということはありえません。

つまり、あなたが抱いてきた葛藤は、他の誰とも違うユニークなものなのです。今回の記事のように、ある程度の方法論的なくくり方はできたとしても、進み方や質感は、万人が違うものなのです。それはつまりは、あなたの創造性なのだ、と私は解釈しています。

迫ってきた葛藤を糧にあなたが抱え、一段上の人間性をもって強く生きていく。
そんなあなたがどんな未来を創っていくのかが、楽しみなのです。

まとめ

今回、この記事を書くにあたって、自分の中で色々と整理していました。
あーだーこーだと色々と書いてみては捨てて。

用語の正しさやら、なんやらかんやらツッコミどころはあるかとは思うのですが、伝えたかったのは、悩むことは真っ当なことで、それらはあなたの人生を進めていくための最適な手段。だから活かしていけるといいねということでした。

これはあくまで私の一意見であるのですが、最近のいろんな事件がある中で感じる大事な願いでもあります。感情に支配されすぎた極端な決断は、ときに社会をも巻き込む問題にもなるのではないかなと。

そんな気持ちが少しでも伝わればと嬉しいです。

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