聞き上手を目指されている皆さん、こんにちは。
この記事では、聞き上手として話し手に満足してもらうための「そう5」という傾聴テクニックをご紹介したいと思います。
まずは前提の部分から。
「話したい」=「わかってもらいたいことがある」ということ
人が話しているとき、話の中には必ず相手に理解してもらいたい事が存在しています。ここをいかに汲み取っていくのか?がとても重要です。要点がつかめていれば、相手の中に「気持ちをくんでもらえた・理解してもらえた」という感覚が芽生えます。
それを感じてもらうために、こんな例を用意してみました。
まあ、どう進むかは私のさじ加減ではあるのですが笑、参考までにご覧ください。
例1:自然な流れ
◎ある二人の会話
このパターンどうでしょう?
ここでは、Aさんが電車での体験を話してくれてますね。非常に短い文章ですが、Aさんから感じるのは、自分自身の怖かった体験について伝えたいという意図です。
なのでBさんは、それを受けて「怖かったのね」と返しています。すると、Aさんから「そうそう」という言葉がでて会話が続いています。
例2:悪くはないが、少し急なパターン
別のケースを見てみましょう。
これはどうでしょうか?
Aさんの話に対して、話してない事がでてきました。そこでAさんは、「なんていうか…」という言葉とともに、話し手に”正しく説明しよう”とし始めています。
一見、普通の流れのようにも感じますが、気持ちを理解してあげたというところからは徐々に離れていきます。質問することはもちろんいいのですがまずは話の意図を汲み取ってあげるほうが、会話としてはスムーズになります。
例3:話の流れを止めるNG例
最後は、話の流れを止めてしまっているパターン。
これは完全に自分の話に持っていってしまっています。
これでは、話し始めた相手がもやもやしたままAさんは、Bの話をきくことになります。
話の意図を理解できると「そう」が聞こえてくる
話し手の気持ちをくんであげたとき、相手からは「そうそう」という言葉がでてきます。
今回のテーマはこの「そう」を引き出すことなのです。
これが会話をスムーズにし相手に「聴いてもらってる」という感覚をもってもらうためには大事なのです!
最高のサインはそう5
なかでも、最大のサインは「そうそうそうそうそう」と5回続く形です。
通称「そう5」です。
※これは、あぜさんという先輩カウンセラーから教わりました。あぜさんありがとう。
みなさんも話していて「そうそうそうそうそう!」と言ったことないですか?返しががっちりハマると、日本人は「そう」を繰り返す傾向があるようです。ここまでくると、相手は自然と続きを話してくれます。
回数別の捉え方
まあ、感覚ではありますが、あえて分けて見るならこんな感じかなと。4と5の違いはかなり曖昧ですけどね笑
・「そう」(そう1):「そういうこと」という通常に理解されたという感じ。
・「そうそう」(そう2):「うんうん、伝わってるね。いいね」という感じ。
・「そうそうそう」(そう3):「まさしく!そのとおりだよ!」という感じ。
・「そうそうそうそう」(そう4):「わかる!?わかってくれる!?ありがとう」という感じ。
練習の仕方
例では短文での紹介でしたが、練習ではもう少し長めのほうが現実的な練習になるかと思います。まずはペアになって片方が30秒くらい話してもらいます。その間、相手は頷きだけで黙って聞きます。話し終わったら、クイズのように「今の話は○○ということですね」と返し、話し手からの反応をみます。「そう5」がでるまで返し続けてみます。
そう5を引き出す際の注意点
注意点も記載しておきます。
注意1:自分の意見は一旦置いておこう
例3のパターンに近いですが、一旦自分の意見は置いておきましょう。もちろん、カウンセリングではないのでがちがちにする必要はないのですが、話を聴くときは一旦自分の意見はおいてみる、というのは意識するのがよいです。
注意2:いきなり「そう5」までいかなくても良い
「そう5」という話はでましたが、いきなり「そう5」がでてこなくてもOKです。理解してあげようという姿勢がでるだけでOKなのです。
あまり力まず、軽い気持ちで寄り添ってあげましょう。
注意3:「要はこういうことね」には気をつけよう
返し方として「はいはい、要はこういうことね〜」という表現もありますが、「なるほどなるほど、わたしわかっちゃいましたよ〜」という感じになりやすいので注意が必要です。
目的は自分が理解している表明をすることではなく、相手に理解している気持ちを返すことです。「こういうふうに感じたのね」ならOKです。
注意4:ずれても大丈夫
とはいえ、いきなりはうまくいきません。これは地道な練習が必要になります。一度外したからと言って諦めずに、何度でもトライしていくことが重要です。
注意5:同意と紙一重
今回のことは話の意図や要点を理解したというサインを返すことであり、聞き手がすべての話に同意することとは全く違う話なのですが、あまりに「そうそう」が進みすぎると、人によっては依存につながってしまうことも懸念されます。そのため、うまくできすぎる人はそこの線引をしっかりして、ほどほどの距離を保ちましょう。
まとめ
今回は、具体的なテクニックについて書いてみました。別に本にのっているテクニックでもないのですが、個人的にはこれだけでけっこう話は聴けると思っています。
コツを掴むには少し練習がいるかもしれませんが、ぜひトライしてみてください。