心が乱れている!と感じたときに。対処方法一覧と対話のススメ

気持ちが乱れている。
そんなときってありませんか?

私自身もよくあります。
本来はもっと、やるべきこと・やりたいことがあるのに、ある出来事をきっかけに動揺していたり、怒りが収まらなかったりで気持ちが追いつかなかったり…。

今日は、そんなときに有効な手段について整理していきたいと思います。

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まずは、心が乱れている時に考えてみる手段

冷静になる手段
心が乱れている時に、よく紹介される方法についてあげてみます。まとめてみるとわかるのですが、基本的には乱れの原因になっている狭まった視点をシフトするために、ゆるい集中状態を作り出すことがベースになってきます。あとはご自身にあった対処を選んでみましょう。

頭の中の静けさを取り戻す系

ごちゃごちゃとしてしてしまっている頭の中を整理していくための手段です。

どこかに旅にでる

ごちゃごちゃしてしまっているということは、その場の状況に限界を感じているということでもあります。そのため、リフレッシュのために別の場所に移動してのんびりして、自分を取り戻すということも有効だと考えられます。

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瞑想・ヨガをする

近年、マインドフルネスをはじめとした考え方です。瞑想や座禅、ヨガをすることで、「いまここ」へと戻していくことで、心が落ち着ける効果があるということは科学的に実証されており、Googleを始めとした大きな企業でも導入されています。

気分を切り替える系

続いては、身体を動かすことでリフレッシュをしていこうという考え方です。

掃除をする

心の乱れは部屋の乱れなんてこともいいますよね。部屋の中がごちゃごちゃしていると、気分もそわそわしたりするものです。

私も大学受験の勉強をしていた頃は、なんだか部屋を片付けたくなることがよくありました笑。

運動・力仕事をする

もっと直接的にスポーツで汗を流してみるということもおすすめです。もしくは、重い荷物を運ぶような仕事だったり畑仕事などをして汗を流しましょう。

こういった作業は、あなたを思考の世界から現実に引き戻してくれます。頭で考えていることというのは基本的には想像であることが多く、特に心が乱れているときに考えることは現実と少しずれていることが多くあります。その状態で過剰に思考し続けると妄想化してしまい、現実と少し離れてしまいますが、力仕事でそれを一気に戻します。

ストレッチ

実際、身体を動かすことでも心は落ち着きますが、運動がしづらい状況のときにもおすすめなのはストレッチです。ただストレッチをする際は、人と話したり、スマホを見たり、音楽などはきかずに、伸ばしている筋肉に集中することが心を落ち着けるための最大のポイントになります。

音楽を聴く

リラクゼーションといえば、自分のお気に入りの音楽というのもアリでしょう。昔好きだったアーティスト、いつも自分を高めてくれる思い出の曲、それらに浸って見るのも落ち着くためのいいきっかけになるかと思います。

趣味の時間に集中する

先程の運動にも少し近いものがありますが、自分自身の趣味がある方は、それに集中してみるというのも効果的かと思います。趣味の定義は様々ではありますが時間を忘れて没頭できることであると望ましいと思います。

なぜ身体の静けさを保つことがよいのか?

身体の静けさ
上記にあげたようなことは、そのまま力技で問題に取り組み続けるのではなく、一旦冷静さを取り戻し、外から自分を見る目を取り戻すための方法でした。

なぜ、それが効果的なのか?少し身体の構造の話をしてみたいと思います。

自律神経の話

身体を調整する神経として交感神経と副交感神経と呼ばれる対極的な2種類の自律神経が存在していることはご存知かと思います。これらは、手や足を動かす運動神経とは異なり、我々の意思とは無関係に自立して身体をコントロールしています。

交感神経は「闘争あるいは逃走の神経」と例えられるような日中の集中状態を保つ役割の神経系です。一方で、副交感神経は「休息の神経」とも言われ、寝ている間やリラックスなど安心している時に優位になる神経系とされます。

この両神経系のバランスが、安定して生活していく上で非常に大事なのです。

これに照らし合わせると、冒頭のようなストレス過多な状況は、どこか交感神経が優位になりすぎている状態と考えることができるのです。交感神経優位が長く続くと、ずっと臨戦態勢なので感情も高ぶりやすく身体が悲鳴をあげてしまうわけです。これでは客観的な目をもつことは難しいといえます。

以前、ある臨床心理士さんからこんな話を伺いました。

一見、生物的にはリラックス副交感神経のほうが自然に備わっているものに思えるので「休もうと思えばすぐにできるだろう」と考えがちなのですが、実は生物として生き抜いていくためには交感神経のほうが優位になりやすいようにできており、副交感神経のほうはトレーニングしないとうまく使えるようにはならない、ということでした。(ソース不明なので参考程度にとらえてください)

なので、冷静になるには、意識して副交感神経側に取り組み双方のバランスを正常に戻すことが必要となるのではと私は考えます。

冷静になるのは、選択肢の可能性を広げることにつながる

一度、冷静に戻れたあなたは、その渦中で考えていくよりも、広い視野で物事を考えることができるようになります。ものすごく極端な例を出すと、戦場で「次のビジネスのプランについて考えてください」って言われても「それ、あとでよくない?」ってなりますよね。

そうなんです。落ち着いているというのは、広い選択肢の中から確実な方法を数多く考え出せるような状況をうんでくれるのです。

冷静になった上で、気を引き締めるには?

気を引き締めるには
ただ、落ち着くだけでは先には進みません。一度クリアになった状態から、今の状況を整理していくことが重要となります。少し客観的に自分の状況を捉えながら、俯瞰した目で自分自身をみていきます。

日々の日記を書いてみる

日々浮かんでいることというのは、意外と流れていってしまいます。同じようなことを繰り返し考えていると思っていても、あなたの周囲の状況はどんどんと移り変わっていきます。つまりそこには、何かしらの変化があるということです。

もちろん、すべてを拾っていく必要はないのですが、書いたことをあとで振り返ってみると、非常に新鮮なことがあったりします。

マインドマップを書いてみる

考えを整理する上で、おすすめなのが、マインドマップというツールです。トニー・ブザン(Tony Buzan)という人が開発した思考・発想方法です。

この手法の醍醐味は、手書きで絵を書くように思考を整理していくことなのですが、入れ替え差し替えなどを考えるとパソコンのアプリで行うのが取り組みやすいかと思います。

私が使っているのは、xmindです。

Xmindは、仕事とライフスタイル両方の効率化を図るため、アイデアを生み出し、創造性を刺激するように設計された、マインド…

自分のいままでの人生の物語について書いてみる

自分自身が今までどんな人生を歩んできたのか?
そこについて振り返ることも非常に有効かと思います。

一番シンプルなのは、人生曲線というツールです。
縦軸を「満足度」、横軸を時間にします。

どんなカーブがあったのかを記述していきます。
そのカーブの中で、どんなことがあったのかをメモで書いていきます。

こんな感じです。

ポイントは、カーブの頂点ではなく、カーブが上がったり下がったりする手前では何が起こっていたか?ということに注目してみることです。

そこにあなたの重要視している価値観が眠っています。

会ったことのない人に会いにいく

あなたの内面がスタックしているのであれば、外の全然違う分野の人に会いに行ってみるというのは、大事な手段です。

あなたの仕事とはだいぶジャンルの違う人たち。
その人たちとの交流は、きっとあなたに違う気づきをくれることでしょう。

一人で行う難しさ

ところが、これらのことを一人で行っていくのは、なかなかに自制心が必要になってきます。やればいいことはわかっている…。そして、そんな時間を捻出することができない。そんな場合に、おすすめなのは対話という手段です。

対話という手段

対話
対話とは、双方が協力的な関係を築いた上で、お互いの理解を深め合うために本音で話し合いを行うコミュニケーションのことです。なにかをジャッジされるような場ではなく、フィードバックをしあいながら、お互いの理解の中で、自己理解、他社理解を深めていく手段のことです。

落ち着いた環境の中で、人と人とが本音でコミュニケーションを行うことで、先にあげていたような、瞑想的な効果や俯瞰的に自分を見ること、内容を整理することができます。

以下、他の用語との違いに関する引用です。

「雑談」「対話」「議論」の違い
「雑談」=<雰囲気:自由なムード>の中での、<話の中身:たわむれのおしゃべり>
「対話」=<雰囲気:自由なムード>の中での、<話の中身:真剣な話し合い>
「議論」=<雰囲気:緊迫したムード>の中での、<話の中身:真剣な話し合い>

「いくつかの選択肢があったうちのどれが正しいか、論を戦わせ、どちらかを捨てて、どちらかをとる」ということが「議論の」典型的なかたちであり、それを効率化したものが「いい議論」ということです。
「対話」というのは、それとはまったく異なるプロセスです。勝ち負けを決めるディベートでもなければ、互いに最大の利益を追求する取引でもない。むしろ、前提となっている選択肢の可能性をもう一度探るとか、評価の基準そのものを再吟味するといった方向に話し合いを進めていきます。結論を出したり、意思決定を下したりすることが目的ではないので、「対話」が「議論」に置き換え可能というわけではなく、両社は補完関係にあります。
出典:『ダイアローグ 対話する組織』 中原淳、長岡健 (共著)

人と話し合う(良質なコミュニケーション)効用

良質なコミュニケーションには、様々な効用があります。個人的には、先にあげたような冷静を保つ効果も内容を整理する効果も含まれていると感じています。

新しい知識やビジョン、気づき、視点が芽生える。

相手との素直な会話やフィードバックは、あなた一人では思いつかないような視点や気づきを得ることができます。この気づきというのが、対話の醍醐味でもあります。

何が不明だったのかがはっきりしてくる。

話を促されるうちに、自分の中で何が不鮮明だったのかがはっきりとしてきます。人が悩んでいるときには、必ず自分の中でなにか一致していないことがあるということです。そこについて、自分なりの意味づけができるようになるというのが一つ大きな成果といえます。

ストレスが軽減される。

快活に話せるというのは、本能的に落ち着く効果があります。自分自身が受容されるということは、生物的に本当に大事なことなのだと感じます。

自己理解を進めて、自分自身に関しての未知の領域を広げることができる

対話を繰り返していくことで、自分自身でも知らなかった自分の側面について気づくことができます。意外なことに、相手から見えることのほうが、自分を広げるのに役立つことがあるのです。

社会的妥当性の確認

対話を通して、自分の考えていることが、どの程度の社会的な位置づけなのかも確認することができます。「あ、これはだいぶ現実離れしてる話なんだな」とか「あ、意外と私だけじゃないんだ」とか。

信頼できる相手ができる

理想的な対話ができたとき、あなたは信頼できるパートナーを得ることができます。それは家族や友人かもしれませんし、全く別の第三者かもしれません。それはあなたの生涯にとって大事な人となるでしょう。

対話のリスクと限界

ところが、そんな万能そうに見える対話という手段にも限界はあります。ある意味で、誰にもしない自己開示をしていくわけですから、いろいろと起こりうるということです。

リスク

まずは危険性についてです。

  1. 話してみたが、理解されずもっとストレスが溜まる可能性
  2. 打ち明けた話に対して、相手が好意的ではない場合、話したほうが不利益を被る可能性
  3. 打ち明けた相手から、他の人に話が伝わり、その人から不利益を受ける可能性
  4. 打ち明けた相手から、他の人に話が伝わり、その集団から不利益を受ける可能性

主には、話した人に内容を漏らされてしまい不利益を被るという可能性になります。対話では、かなりセンシティブな内容もでてきます。また、普段だったら言わないような言葉を思い切って話し合う場合もあります。そんな内容を外に漏らされたら、なにも安心できないですよね。

理想としては、第三者でかつ倫理的な価値観がきちんとした相手を選ぶことが非常に大切な要素です。

限界

同様に限界もあります。

  1. その場で、現実の状況が変わるわけではない。
  2. 双方が対話の時間にコミットしている必要がある。
  3. 必ずいいことが起こるわけではない。
  4. ずっと必要なわけではない。
  5. 対話者が固定することで、価値観が固まってしまう可能性もある

まあ、そうですよね。
これは、対話に限らずあらゆる方法に言えることですが、世の中の方法は、必ずなんらかの限界をはらんでいます。「これをすれば絶対にあなたの人生は激変する」「組織が活性化する」「魔法のようなことが起きて、自分が進化していく方法」などは、瞬間的には間違いではないのかもしれませんが、ずっとそう思い込むと、現実が歪んできますので、注意が必要です。

まとめ

今回、乱れた心を引き締める手段として他の手法も例にだしながら、対話をご紹介いたしました。

ただ、個人的には心が乱れていること自体は普通なことだと考えます。それは決して悪いことではなく、むしろ、そのモヤモヤ感というのは、次に進んでいくための重要なサインでありチャンスを含んでいると考えています。

そんなチャンスの可能性を最大化させるために、対話という手段は役に立ちうるというお話でした。最後に書いたようなリスクや限界も理解した上で、成熟した対話ができると、あなたの気は引き締まり、次に向かって進んでいく力を得ることができると私は信じています。

そんなパートナーが必要なときは、ぜひお声がけください。

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