クリエイティブな仕事がしたい。
そう願う人は多いのではないでしょうか。
今、「クリエイティブな仕事」というと、映画やCMのような映像制作や音楽制作、絵画、アート、漫画…etcのように何か作品を作る仕事を想像する方が多いかと思います。さらに最近では、ビジネスの世界でも「クリエイティブ」であることが求められ始めました。そのわかりやすい例がAppleの台頭にありました。ジョブズの発表する製品は、いままでの市場にはないクリエイティビティを持っていました。
“どこか他の人とは考え方が違う。
その事実がシンプルに世界に影響を与える。
そんな存在になりたい!そんなモノを作りたい!”
クリエイティブな仕事がしたい方は、こんな事を想像しているかもしれません。
モノや情報が溢れて、かつネットを通じて誰でも発信ができる時代になった今、以前よりも一人ひとりが「クリエイティブ」であることを目指しやすい状況になってきたのではないかと思いますが、それを目指していくのは難しいものです。
そこで、おち対人コミュニケーションデザイン事務所ではクリエイティブな仕事について注目しました。
しかし、そもそも「クリエイティブな仕事」とはなんでしょうか?
先にそのことについて触れてみたいと思います。
- 1 クリエイティブな仕事ってなんだろう?
- 2 クリエイティブな仕事に向けて、豊かな心を養うためのワーク10選
- 2.1 ワーク1:あなたを取り巻く「ねばならない」というワードを書き出してみる
- 2.2 ワーク2:あなたにとっての「遊び心」を探してみる
- 2.3 ワーク3:日常の中でのささいな「満たされる瞬間」をあげてみる
- 2.4 ワーク4:日常生活の中であなたの「ねばならないを外した世界」「遊び心を発揮した瞬間」や「満たされた瞬間」を再現する行動をしてみる
- 2.5 ワーク4:モーニングページを書いてみる
- 2.6 ワーク6:自分と関係者の相関図を書いてみる
- 2.7 ワーク7:空気を読む事をやめてみる
- 2.8 ワーク8:自分自身にとってのクリエイティブを定義する
- 2.9 ワーク9:あなたにとっての「働く意味」について問いかける
- 2.10 ワーク10:今の仕事と自分のクリエイティビティ掛けあわせた可能性を考えてみる
- 3 まとめ
クリエイティブな仕事ってなんだろう?
現在、一般的にクリエイティブという言葉は、創造的or独創的なモノを作り出すことを指しているようです。ときに広告業界そのものを指す用語にもなっているようですが、今回は、人が持っている創造性そのものにフォーカスしたいと思ってますので、クリエイティブを創造的、独創的な発想と定義します。
そもそも仕事ってなんだろう?
そして仕事についても、簡単に定義してみます。
ここでは、他人から要求されたもの、もしくは潜在的に他人に必要とされるものを提供して、見返りとして報酬を受け取ることとします。
至極シンプルですね。
ここで報酬を求めないのであれば、それはボランティアなのだという考え方です。
するとクリエイティブな仕事とは?
ここに「クリエイティブな」という言葉をつけるとこうなります。
創造的、独創的な発想で他人から要求されたもの、もしくは潜在的に他人に必要とされるものを提供して、見返りとして報酬を受け取ること
つまりは、クリエイティブな仕事というのは職種の事ではなくて、あなた自身の独自マインドプロセスを経た仕事とも言えます。与えられたお題をあなたらしい方法でアウトプットしていくこと自体がクリエイティブであると、そういうことです。
つまり考え方次第ではいかなる職種であったとしても「クリエイティブな仕事」に変えていくことができるし、クリエイティブであれる人は、どんな仕事をしていてもクリエイティブな人であると言えます。
創造的とは?
ここで、さらに創造性について一段深く考えてみましょう。簡単にいうけども、それは一体なんなのだろうと。経済産業省の定義では「創造性とは、新しい価値を生み出す力」と定義されています。別の方で「創造性とは、古いものから新しいものを創り出すこと」だと表現された方もいました。
そんな中、私なりに書いてみると以下のような定義になりました。
創造性とは、「個々人の心の豊かさ、複雑さを現実世界で表現する力」のことである。
ここには見た目上のかっこよさであったり、技工の精巧さであったり、より多くの人に認められるかは含まれていません。どれだけ、その人だけが体験してきた心の内面を表現がしていけるか?借り物でもなく、一見不格好に見えるかもしれない部分も含めた自分自身を表現できるのか?、ということのみにフォーカスしています。
つまり他人のマネ(真似、模倣)にあたるものも、すでにある枠組みをもとにするので、この意味でのクリエイティブにはあたりませんが創造の種を発芽していくための大事な要素であると捉えています。
その点についても書いてみます。
学ぶと真似ぶを含んで超える
真似とは、規定された枠組みを借りるという行為です。ここででてくる「枠組み」とは、言うなれば一定のルールが形式化されたもののことです。人は誰しも物事を進めていくときに参照する枠組みを見つけ、それを行います。当初はそれを学んだりしながら枠組みを守っていく事が、物事を進めていくための手立てとなり、非常に重要視されます。
ところが、時期が経つとその規定の枠組みに支配されすぎて、波風を立てない調和した答えしか出せなくなってくることがあります。それが「枠組みにとらわれている状態」です。そこを越えて、自分にしかできない表現を作っていくことこそがクリエイティブな行為なのだと言えます。
以前、「学ぶ」の語源は「真似ぶ」なのだと聞いたことがあります。つまり、なにか新しいことを学習していくとは、それ自体が真似をしていく行為であるとも言えそうです。そして、真似を超えて、あなたらしい新しいものを作っていく際には、いままで真似てきたことは要素として残るでしょう。そういうものだと思います。新しいものだからと言って、まったくの別物になるわけではなく、そこまでのプロセスを含みながら構造的に一段超えていったものになるのです。
そう聞くとかなり難しそうな感じもしますが、それは誰にでもできることなのだと私は思っています。なぜなら、あなたは世界でただ一人しかいないから。あなたは、今まで、数十年も生きてきました。その間、いろいろな事があったと思います。喜び、悲しみ、挫折、希望などなど。ただ、これと全く同じ経験をしている人は誰一人としていないでしょう。
そのため、あなただけにしかないクリエイティビティというのは確実に存在しているのです。ただ、それが世間的な傾向や趣向と一致したものかどうかはわかりません。そこが難しいところですが、私自身は、一人ひとりが自分にしかできない表現をしていくことこそ生きることを豊かにするために本当に大事なことであると思っています。
この記事の目的は、あなたが有名になっていくことよりも、普段のあなたを越えてよりクリエイティブな状態の心を引き出すことにあります。
ということで、ワークにいきましょう。
クリエイティブな仕事に向けて、豊かな心を養うためのワーク10選
紹介しているワークは単体で実施してもよいかと思います。
ポイントは、あなた自身が持っている固有の価値観、世界観に気づき、その解像度を高めていくことにあります。
そのために、自分自身と対話を行ってみるということです。
ワーク1:あなたを取り巻く「ねばならない」というワードを書き出してみる
私達は、生活していく中で思っている以上にルールに縛られています。その中には、思い込みが多数存在していて、時にあなたの心を苦しめます。クリエイティビティの邪魔するのは、その思い込みです。そこから自分を解放して、本当の自分を取り出してみましょう。
まずは、心の中にあるあらゆる「ねばならない」を善悪の評価なしに書き出してみましょう。これは、忘れろと言っているわけではなくて、ただ書き出してみるだけです。あたりまえでしょう!と思う事もどんどん書き出してみましょう。どんな事がでてくるでしょうか?
例)
「働かなければならない」
「お金を稼がなければならない」
「空気を読まなくてはならない」
「時間通りに出社しなくてはならない」…など。
その「ねばならない」を外したあなたはどんな人でしょうか?
では、そのすべての「ねばならない」を外した時に、あなたにどんな事が起こるでしょうか?その時、どんな気持ち、どんな願いがでてくるでしょうか?書き出してみましょう。
そのあなたを最大限に認めてあげましょう
そういうと、逆に「自分には何もない」とか「無価値かもしれない」などと思ってしまうかもしれません。それでも、そんな自分を最大限に肯定してあげてみましょう。そんなあなたが認められる世界を想像してみるのです。
ワーク2:あなたにとっての「遊び心」を探してみる
あなたにとっての「遊び心」がどんなところにあるか、探ってみましょう。過去のことでもよいです。この時に、場面と一緒に思い出して欲しいのは、その時の身体感覚です。その時の自分の体にどんな事が起きていたか、今あらためて感じてみましょう。
例)
「学校の帰り道、いつもの道で帰るだけではおもしろくないので、気の向くままに適当な道を進んで帰っていた。時々、意外な発見があって、心がワクワクして開拓者の気分だった。」
ワーク3:日常の中でのささいな「満たされる瞬間」をあげてみる
あなたは日常のどんな瞬間に満たされていると感じるでしょうか?どんな些細な事でも構いません。列挙してみましょう。
例)
「電車で、お年寄りに席をゆずった時に言われた”ありがとう”の言葉で心が暖かくなった」
「気の合う仲間としゃべっていて、みんなが各々の夢を語っている状況に、なんだか感動したし感謝した」
ワーク4:日常生活の中であなたの「ねばならないを外した世界」「遊び心を発揮した瞬間」や「満たされた瞬間」を再現する行動をしてみる
いままでのワークの中で出てきた、遊び心や満たされる瞬間をイメージしながら、行動をしてみましょう。その感覚が再現できるように現実世界で行動してみるのです。注目してほしいのは、その時にどんな感覚がおきるかということです。
例)
「通勤の帰り道、いつもと違うルートで帰ってみた。そこで、知らないラーメン屋を見つけたので、入ってみたら美味しかった。この見つけた感うれしい」
「通勤の帰り道、いつもと違うルートで帰ってみた。が、あまり大した事は怒らずがっかりした。(なんで、心が反応しなかったのだろう?)」
他にもこんな事ができるかもしれません。
部屋、仕事場のデスクをあなたのクリエイティブな場として作り変えてみる。
自分の遊び心が満たされるものをおいてみましょう。それを象徴するキャラクターやグッズを置いてみるなど。
あなたの思うクリエイティブな食事をとってみる
あなたが本当に満たされそうな食事をしてみましょう。それは、決して高いものだけではないかもしれません。
本の目次だけ読んで、好きなストーリーを作ってみる
私がよくやる事の一つに、これがあります。やり方は簡単で、本を読む前に、目次だけをひたすら眺めます。そして、そこから想像できるストーリーや内容を簡単に書き起こしてみます。
ワーク4:モーニングページを書いてみる
脚本家・アーティストのジュリア・キャメロンの「ずっとやりたかったことをやりなさい」の中にでてくる創造性を高めるための方法の一つです。
ルールは簡単です。
- まず、新品のノートを用意します
- 朝起きたら、ノートを開き、3ページをとにかく埋めます。その瞬間、心によぎることを書き留めます。どんなことでもOKです。書き方にルールはありません。実際、私は何も思い浮かばない時「何も思い浮かばない」とひたすら書いています
- そしたら見返す事もせず、ノートを閉じます
- 翌日も2,3の繰り返し
これだけです。
私も実際やっているのですが、その効果は絶大で、なんだかスッキリするし、思考の整理ができます。
ノートは、他人に見せない、自分でも八週間は読み返さないようにしましょう。
ワーク6:自分と関係者の相関図を書いてみる
実際に、クリエイティブな事を思っていても、現実世界で実行する事はなかなか難しいことです。その理由の一つが、人間関係にあります。色々な人が絡みすぎた人間関係の中で、なかなか身動きが取れない状況も多々あるかと思います。しかしながら、どの人と自分がどういう関係になっているか、整理をした事がある人は少ないのではないかと思います。思い切って、状況を可視化してみましょう。ドラマの相関図のような感じです。
ここでのポイントは、自分にとって、関係者がどういう役割を持っているのか、それを図式化してみることです。
これが、できたら、自分にとっての理想の相関図というのも作ってみましょう。どんな人がいて、どんな関係性であれば、自分が「わくわく」したり「満たされる」のか。そこがポイントです。
ワーク7:空気を読む事をやめてみる
いつからか、「空気を読む」という事が、現代人の必須スキルのようになってきました。たしかに、この技術をうまく活かせれば場の雰囲気を壊さずに、円滑に物事を進められるかもしれません。私もサラリーマン時代、よく「空気を読め!」と怒られました(笑)
しかし、時に、この技術は「場を平穏な状態で収める」事にフォーカスしすぎてしまい、良質なアウトプットの創出の邪魔をすることがあります。創造的なものは、混沌としたエネルギーから起こる事も少なくないのです。
いきなり全開にするのは難しいかもしれませんが、「あ、今、おれ空気読んでる!」と思った時に、試しに意図的に外してみてください。そこでのポイントは、周りの空気がどう変わったかということよりも、「空気外し」によって最終的にその場の目的がどう変化したか、あなたがそこにどう影響できたかに注目してみてください。
ワーク8:自分自身にとってのクリエイティブを定義する
では、あなたにとっての「クリエイティブ」という言葉について考えてみましょう。
以下の質問について、答えてみてください。
質問1:あなたにとって「クリエイティブな仕事」をしている人は誰ですか?
まずは、自分にとってのクリエイティブな仕事人の象徴をあぶりだします。あなたが、「クリエイティブな事したい!」と思った時に、誰のどんな仕事を想像しているのでしょうか?その理由も書いてみましょう。
例)
私的クリエイティブな仕事人:宮﨑駿
理由:アニメを通して、自分の世界観を持ったまま、世界中の人に多大な影響を与え続けているから。
質問2:どんな姿だったら、自分はクリエイティブに仕事ができていると言えますか?
先ほどの相関図のところでもでてきましたが、いままでのワークでやってきた世界観を合わせながら、あなたの理想の姿を出してみましょう。その時、理想の環境も一緒に考えてみてください。ここでは、お金的な事や現実は一切考慮せず、とにかく理想を描き出してみてください。
質問3:あなたがクリエイティビティを最大限発揮すると、どんな世界が実現するでしょうか?
さあ、あなたがその抑えきれないほどのクリエイティビティを発揮した時、世界にはどんなインパクトが起こるでしょうか?ここでいう世界は、必ずしも地球という意味ではなく、あなたが対象にしたい世界(家族間や友人、コミュニティなどなど)のことです。
質問4:あなただけのクリエイティブを言葉にすると、なんという表現になりますか?
ここまで洗い出した自分のクリエイティビティを文章にしてみましょう。バシッと自分を表現できる言葉があれば、一言でもいいですし、数十文字でも構いません。できれば、50文字くらいに収めるように工夫してみましょう。
質問5:あなたのクリエイティビティを妨げている問題はなんだと思いますか?
では、ここで、現実のあなたを見て、いままでのワークの結果、浮き上がってきた自分自身のクリエイティビティを妨げている要素について、書いてみましょう。どんな事がでてくるでしょうか?
ワーク9:あなたにとっての「働く意味」について問いかける
あなたにとっての「働く意味」ってなんでしょうか?お金でしょうか?名声でしょうか?自己表現でしょうか?
シンプルな質問ではありますが、ここで一度、言葉にしてみましょう。もちろん、ここに良い悪いの評価は存在しません。誰にも見られていませんので、正直に書いてみましょう。
ワーク10:今の仕事と自分のクリエイティビティ掛けあわせた可能性を考えてみる
最後は、いままでのワークを鑑みながら「今の仕事」について考えてみます。これまでのワークの中で、あなたは、自分自身の特性のヒントが得られたのではないかと思います。それを今の仕事で発揮するならばどういうことになるのか、考えてみましょう。
雰囲気だけで伝えると、掛け算のようなイメージです。
この答えを思いつくままにだしてみましょう。
例)
「私の特性1」✕「今の仕事」=?
「私の特性2」✕「今の仕事」=?
「私の特性3」✕「今の仕事」=?
まとめ
いかがでしたでしょうか?これは、今まで私がコーチングを行う中で、実際にクライアントさんに、してきた質問の一部でもあります。
コーチングの役割は、クライアントさんがある境を越えていく事をお手伝いする事です。その最初のステップとして、自分の範囲を知るという事にフォーカスします。まずは、自分という人間がどんな範囲で活動をしていくのか、それを理解した上で、初めてその線を越えていくことができると考えるからです。
このワークで、一人でも多くの人のクリエイティビティが開花することを願いつつ。