2022年になりました。
年明け初の投稿です。
コーチングを初めて早8年。
その間、あれやこれやといろんなことを試してきて、現時点では対話パートナーという名前にさせてもらってます。今年はさらにこの辺をブラッシュアップしていきたいなと思うわけですが、やっていきたいのはセラピーやカウンセリングでもコーチングでもなく、その間のもっと普通のことなことは相変わらずでございます。
ざくっと言ってしまえば、セラピーは心の手術みたいなもので、コーチングは相対する方が願う方向にむけての心理的なプロセス支援といえます。どちらも非常に重要な観点なわけですが、私個人としてはもう少し自然で健全性を大事にした対話支援の形を追求していきたいと思っています。
今はあまり使わないかもしれませんが、自己啓発という言葉があります。コーチングなんかはここに分類されてますね。wikipediaによると
「自己啓発(じこけいはつ)とは、自己を人間としてより高い段階へ上昇させようとする行為である。「より高い能力」、「より大きい成功」、「より充実した生き方」、「より優れた人格」などの獲得を目指す。」
wikipedia
と書いてあります。
言葉だけ見るとまっとうに見えるのですが、この上へ上へというアッパーな意味合いが今までの時代の中ではカルト的なものの象徴として扱われたこともありました。あえて英語にするならself‐developmentであったりself-strengthみたいなニュアンスというか。
そもそも、いつから心は自分で意図的に開発できる対象になったのかと。
そこにいろんな気持ちが湧いてきます。
ところが、もうちょっと手前の時代にヒューマンポテンシャル運動というのが起こりました。詳しくは書きませんが、自己啓発という言葉につながっていくきっかけとも言える運動です。その当時の方にお話を聞くと、当時の運動の意味合いは”強化”というよりも”気づき”(self-awareness)を重視していたとのことでした。つまり上昇志向というよりも拡大的な志向のものであったということです。
私がしたいこともそちらに近いわけです。
今となっては(以前はそうだった)、世にいう成功みたいなものであったり、右肩上がりに何かを上げていくような不自然な流れはあまり好きではないのです。それよりも、悩みもあり進展もあり挫折もあり、そういう全体性の中でそれでも続いていく人生を更新し続けていくための支援ができればと思っています。
私は、ここ数年ほどインテグラル理論や成人発達理論と呼ばれる考え方に大きく影響を受けてきました。
それらは、人の意識が生涯に渡ってどのように発達できるのかの可能性を大枠で示してくれているのですが、私はそこで提示される高次な段階への道筋よりも、到達点のない無限の世界を示してくれていること自体に意味を感じています。もうちょっと言えば「誰しもが道の途上で、それぞれの道をそれぞれの環境で歩んでいる」という当たり前のことを明らかにしてくれるというか。
そんなこんなの考え方を合わせていきながら、今年も頑張っていきたいと思います。