人間における或る盲目性

ウィリアム・ジェームズの著書「心理学について −教師と学生に語る」の中にでてくる人間の性質に関する考え方のこと。

ジェームズは、世界で初めて心理実験室をつくったヴントの構成主義に反発する形で機能主義を唱えた。要素がどうであるというよりも、機能のほうが重要であるという考え方である。そのジェームズが教師や生徒に語った講演をまとめたものが本書であるが、人間における或る盲目性はその一節。心理学に落胆していたジェームズの人間哲学側面での講話といえる。

ところで、これからお話で論じようとする、人間における盲目性、というのは、自分自身以外の生物や人間の感情について我々は盲目であるという、我々の誰でも取り憑かれているあの盲目病の問題なのであります。

「心理学について −教師と学生に語る」 p225

つまりは、人は他人の中で起こっていることに気づくことができず、それを無視して断定的なやり方で判断を下そうとする場合に、判断の誤りに陥ってしまう、という1900年前後のアメリカ社会への警告とも言える。

人の内面では、人生がシフトするような素晴らしい体験をすることがあるが、それは傍目にはわからない。そのポイント、可能性に目を向けてあげること、自身の盲目性にとらわれないことが、自分に恵まれた幸福を最大限に活用するための重要なポイントであると語る。

ジェームズさんの プラグマティズム 的な側面は、単純な行動主義と違い、あくまで純粋な「意識」を起点とした考え方で、我々東洋人にも馴染み深い仏教的な視点に近い「妄想を振り切り、今を生きる」考え方に近いように感じます。

今までは機会的な外面的な態度で考えておったにすぎない物事に対して、その内に潜む意義を洞察するにいたるところの、このような一段と高級なる視力というものは、往々にして突然的に、ある人に与えられるものです、この視力が与えられますと、それはその人の生涯に一新世紀を画するのであります。

「心理学について −教師と学生に語る」 p239

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