1950年代、バンク・ミケルセン(デンマーク)らが関わっていた、知的障害者の家族会の施設改善運動から生まれた理念。
当たり前のことを当たり前にできる社会を実現するために社会を整備していこうとする考え方である。「当たり前のこと」とは、日本における基本的人権の尊重に該当する。
障害を持っていても地域社会で普通の暮らしを実現する脱施設化など、社会環境の変革に寄与した。国連の国際障害者年(81年)を契機に認知度を高め、現代の社会福祉、障害者総合支援法の基本理念となった。
障害の有無にかかわらず平等に人権が保障され、自己のライフスタイルが主体的に選択でき、能力・経済効率主義にくみしない共生社会の模索でもある。自立生活運動、QOLの概念、当事者主体の理念、在宅サービスなども、ノーマライゼーションの思想が根底にある。
参考:コトバンク
参考書籍:ベンクト ニィリエ/著『再考・ノーマライゼーションの原理ーその広がりと現代的意味』現代書館