人間の一生は、受精の瞬間から死に至るまで変化の連続です。
その変化のことを心理学では発達とよびます。
心理学的には、成長と発達は明確に区別されます。
大まかにくくってしまえば、成長とは量の増大のことを指します。
一方で、発達とは質の変化のことを指します。
体が大きくなっていくことやなにかの技術を増やしていくことは、成長といえます。
ところが、生物の中で量の増大ではなく、別のことができるようになっていく変化も感じます。その質の変化のことを発達と言います。
例えば、ピアノの習得の場合。
ピアノの音やコード、曲をどんどんと覚えていくことは成長にあたるでしょう。
一方で、演奏が熟達していくと、ただ弾くだけではなく、その中に音楽的な表現であったり自分自身の感情を表現していくようになります。加えて、一人ではなく誰かと一緒にひとつのものを表現するということもできるようになってきます。
発達的な観点で言えば、同じ行為をしていても、質の違う意味合いをもたせられるようになってくるわけです。
それらの質的な変化を扱う心理学を発達心理学とよび、様々な研究者が研究を行っています。