カール・ロジャーズ がカウンセラーの本質的態度として必要とした”中核三条件”の中の一つ。
”中核三条件”は、 カール・ロジャーズ が1957年に提示した「治療的パーソナリティの変化のための必要十分条件」の6条件のうちのカウンセラーの態度に関わる第三条件、第四条件、第五条件のことである。
その第三条件のことが一致である。
ロジャーズは、この第三条件について、下記のように述べている。
第三の条件は、セラピストが、この関係の範囲内では、一致した、純粋な、統合された人間でなければならない、ということである。それは、この関係のなかで彼が、自由に深く自分自身であり、彼の現実が自分自身についての彼の気づきによって正確に表現されるという意味である。それは、意識的にせよ無意識的にせよ、表面的なものだけを表現することの反対なのである。
「治療的パーソナリティの変化のための必要十分条件」
また
私の経験からは、たとえば一貫して需要的で振る舞おうとしても、私自身が実際に不愉快に感じたり、懐疑的になったり、あるいはその他の受容的ではない感情を感じていた場合、長い間にはいずれ必ず相手に、この人は一貫していないとか信頼できないと感知されることを痛感してきた。信頼に値するということは、厳密に矛盾なく一貫していおることが必要なのではなく、私が一貫して本当の自分であることが必要なのだと認識するようになった。「一致した」という用語は、私がこうありたいと思うあり方を表すためによく使ってきた言葉の一つでもある。「一致」とは、私が体験している感情や態度がどのようなものであっても、その態度に自分が気づくことによって、それを矛盾しないでいられるという意味である。これが実現できたとき、その瞬間、私は一つのまとまりのある統合された人間であることができるし、どんなに深いところでも自分自身であることができるのである。
「ロジャーズが語る自己実現への道」 2005年より
と語っている。
ところが、注意が必要なのは、日常生活含めてセラピストは常に一致している必要があるわけではないことと、一致しているからといって、すべてをさらけだせばよい、ということでもない。