過去も学びも超えて(1/3):落合拓人さん

久しぶりの越境インタビューです。
今回はコーチングやバイロンケイティワークなどを通じて、第一線で活躍されているプロコーチ落合拓人さんの人生にスポットを当てます。長年に渡り、様々な心理療法を学びながら、現在コーチとして行き着いた拓人さんの過去といまからについて伺っていきます。

今日は全3回の第1弾をお届けいたします。

すべてのはじまりは個を大事にすることから

—では、インタビューを始めていきますね。—
拓人:よろしくおねがいします。

—いきなりですけど、このインタビューを見てる人にどんなことが伝わるとよいですか?—
拓人:そうだねぇ。シンプルに言えば、「この人おもしろい人だな」とか「この人ほかになかなかいない視点を持ってるな」とかかな。「コーチとしてすげえな」とか「すごいこと考えてるな、できるな」とかいうよりも(笑)。

—人間味の部分が伝わればいいな、と。—
拓人:そうそう。「あっ、この人コーチングやってる人にあんまりいないタイプだよね」とか「あんまりない視点を持ってる」とか「あっ、本当は私もこういうこと考えてたのに」とか。

—なるほど。確かに現場には、本で知るコーチング像と違うコーチング像があったりしますもんね。—
拓人:うん。僕は、本当にクライアントのパーソナルなところを大切にしてるんだよね。本当は、一人一人が何か内面に満たされたいものがあるわけじゃないですか。まずはそこと繋がって、そこから行動も含めて全てを始めていくみたいな。そういうコーチングをしてるんだよね。

ただ、そういう話を企業の中で人材開発とかやってる仲間にしたら、「拓ちゃん、そんなのは法人のコーチングには通用しないよ」とか言われちゃったけど(笑)。

—ハハハハ(笑)—
拓人:確かにコーチングには目標達成的な一面もあるかもしれないけど、この世界を体験してるのは個人が主体だからね。個人を大切にする考え方は、僕は人間全般に共通していると思うんだけど、コーチングの定義によってはそういうところは違ったりもするみたい(笑)。

—両方とも大事な観点ですが、個人ももちろん大事ですよね。
拓人:個人があって社会がある。個人があって組織がある。組織のために個人があるわけじゃない、みたいなね。

—球体でいうと、やっぱり地層には社会とか集団とか役割っていう地層があるんだけど、中身のコアの部分は個人ですよねっていう。スタンスの違いなんでしょうね。—
拓人:地層のほうが主になってる人と話すと、自分自身の悩みとか自分自身の問題とかの話、全然聞かないんだよね。常に「社会を良くするんだ」とか「企業を良くするんだ」とかの話とかに偏ってる印象が強いんだよね。

前は、違う考え方として一緒に話しててもそれなりに充実感があったんだけど、最近はそうでもなくなってきたんだよね(笑)。一方で別の人と「自分自身の悩みとかをどうしたら乗り越えられる?」みたいな話をしてて。ずっと泣きながらやってて、やっぱりこっちのほうが僕的には「じゅうじつー!」みたいな感じあるかな(笑)

—拓人さんはそっちですよね。ちなみに地層のほうが主になってる人の内面にはどういうことが起こってるんだと感じてますか?—
拓人:どうなってるんだろうね?アンソニー・ロビンズじゃないけど、ザ・コーチみたいな人って日本でもいたりするじゃない。そういう人と触れてると、自分自身の闇の部分は迂回しちゃって成功してる感じがするんだよね。

—ちょっときれいな面を見せるというか。—
拓人:そうそう。確かに世間的な成功だけだったら、自分自身の闇の部分に触れなくても行けちゃうのかもしれないけどね。でも、どこかでそれが足を引っ張るみたいな。

—昭和のドラマじゃないですけど、成功している人ほど家庭が荒れていたり(笑)—
拓人:そう。成功して不幸になる人々みたいな(笑)。

—それは拓さん的な「幸せ」には遠い感じですか?—
拓人:そうだなぁ…。人間ってやっぱり「お金持ちになりたい」「有名になりたい」「成功したい」とかいうのはみんなあるから、やっぱりそこをやり尽くさないと、じゃあその向こう側にある「幸せってもっともっとあるよ」みたいなところには行き着かないこともあるんじゃない?なので、やり尽くすことも必要なんじゃないかなとは思うけど。

—なるほど。今、時間軸としては同じところにいるけど、その人はひょっとすると、そっちに行くのは10年後かもしれないし、そこの満足感は人それぞれやり尽くさないと…。—
拓人:そうそう、幸せの実現も2段階あるんだと思うんだよね。成功したい欲求を否定するなんてできない時期はあるよね。

—そうですよね。そこは否定して「頑張れ」って言ってみても…。—
拓人:逆に、すごい欲求がいっぱいあるのにスピリチュアルなほうに行ってる人もいるじゃない?なかなかうまくいかないよね。

—そう聞くと、拓さんは、色んなバイオリズムの中で、たまたま”今”合わなくなってきているみたいな多面的な視点を持たれてる感じがしております。—
拓人:人それぞれ成長のスピードも違えば関心の方向も違うから。例えば今こうやってオッチーと一緒にいて、今は重なってる部分があるからここにいるけど、ちょっと成長のスピードが違ったり方向が違ったりで、また関心が合わなくなったら、自然と離れるし。5年後とか10年後ぐらいにまた関心が重なるときが来てとかさ。

頑張らないリーダーシップ

—前提が「同じ人とずっと一緒に」だと、苦しくなってくる人が出ちゃったりしますもんね。—
拓人:僕は「何かプロジェクトやるから、一緒にやれる人集まれ〜」って言ったらサーッと集まってきて、何かやって、それが終わったら、またそれぞれサーッと去っていくような、離れていくような、そういう柔軟性のある自由な感じがいいなぁと思ってるよ。アメーバ的な。

—いいですねアメーバ。でも、ちゃんと”個”もある感じですね。—
拓人:そうそう、それが自分にとって一番楽だけど、自分の中で欲求として、周りにいるそういう人たちを自分でホールドできる人になりたい、みたいな欲求はちゃんとあるのよ。頑張らないリーダーシップというかなんというか(笑)。

—あ~、ゆるい繋がり的な(笑)。—
拓人:縛るわけでもないから、余計なことをしないことで物事がうまくいくみたいな。この世の中って何かをすることで出来上がってるじゃないですか。でも、現実では、みんな逆に余計なことをいっぱいやっちゃっててさ。

—なるほどなるほど。—

拓人的コーチングのカタチ

—さっきみたいな理想的な姿とコーチングは、どう関わってくるんですか? —
拓人:どうだろうな。僕はコーチングっていったら頑張って何かを取りに行くの逆なんだよね。みんな子供のころから色んな価値観を親とか学校とか社会から受けて色々なものに縛られているわけじゃない。それから自由になっていくことで本来の自然な成長とか自然な成功、それを幸せに繋げていくことなんだよね。

—ふむふむ—
拓人:そもそもコーチング自体に色んな縛られている価値観が入り込んできているわけじゃない?

—はい、そうですね。—
拓人:クライアントはこうならなきゃいけないとか。クライアントに対して「あなたにこうなってほしいんだ」っていうところも、その人の価値観というか、社会から受けた常識みたいなものが入り込んできてるよね。

—そうなりがちですよね。特に習った直後とか。—
拓人:そうそう。習った直後といえば、みんな「コーチングとはどんなもの」ってよく議論してたりとかするけど、コーチング習ったばっかりの人はコーチングスクールで習ったことがまずあるわけじゃない。コーチングとはこういうもの。経験の少ないうちに、やっぱりね。

ところが、10年、20年やってるような人の話聞くと、逆にどんどんそんなの崩れてくるのね。そんなのどうでもいいよって(笑)。そういう人って、「いや~コーチングスクールで習ったこととは相当かけ離れたことやってるけど、だけど逆に確実にクライアントの役には立ってる」みたいな感じになってるんだよね。

—なるほどー!—
拓人:コーチの資質とか実力とか言うけど、コーチとしてコーチ力つけてく人の資質ってやっぱり、習ってきたコーチングと自分の経験と新しく得た知識とを重ねて、古い枠を崩せる。

崩して、自分なりのコーチングを構築できて、またそれに縛られないで、その枠を壊して…みたいな、解体と構築とかができる能力のある人がコーチじゃない?とか思うわけ。

—自分のやってることに疑問をちゃんと持てるかとか。—
拓人:そうそう。疑問を持ちながら、どんどん再構築していくみたいなことが必要だけど、やっぱりコーチングやってるんだったら、今の自分の力を信じて精一杯やっていくみたいな。よく「こんな私がコーチングやってていいのかしら?」とか「まだまだ実力ないから」って言いながらコーチングしてるって、それってクライアントにお前失礼だろって思うよ(笑)。

—それでいうと拓コーチは今、守破離的なことでいうと、どんなところにいらっしゃるんでしょうか?—
拓人:どんなところなんだろうね?最近、ほかのコーチの人たちと比べてもしょうがないなというところで。自分のコーチングがコーチングというのかどうかは、もう知らない。

—ハハハ(笑)—
拓人:人から「それコーチングじゃないでしょ」って言われても、まぁしょうがないかなと。本人が自分自身の世界を探求していくスペースを作るというか、用意してあげるみたいな。

—そういう意味では拓さんの世界観にもう行き着いている感じがしますよね。—
拓人:いや、でも時々ガツンと言いたくなることは、あったりとかするけどね。

—クライアントさんとかに?—
拓人:うん。それは全然許可してるけど。

—その気持ちについては、どう捉えてらっしゃるんですか? —
拓人:自分の問題だとわかった上で、自然に勝手に流れて出ていくときは止めないけどね。

—何かが起こったからそうなっているわけですね—
拓人:やっぱり自分のエゴというか自分の価値観だったりで「こうなったほうがいいだろう」とか「こうしなきゃ」みたいな気持ちが出てくるときは、それは分かるよね。そういうときは「自分の勝手な都合を言わせてもらうけど」ぐらいの感じで言うかな(笑)。

コーチングのスキルについて

—お話伺ってると、拓さんが深く自分自身でいることがクライアントさんも開いていく、そんなスタイルがにじみ出ている感じがしております。そうすると、たくさんにとってスキルって、どういう位置づけなんですか?—
拓人:スキル…スキルか。何て言ったらいいのかな?コーチング進めていくのに、やっぱり、どっちかの方向にまず向かっていくとか決めないことにはプロセス始まんないじゃない?そういうのを作っていく道具として捉えてるよね。

—ポイントを切り替えるための道具ですね。—
拓人:コーチングスクールで教えてるスキルって、すごいたくさんあるじゃない。結構、細かいのも教えてるけど、本当に在り方の部分がしっかりしてたら、スキルそんなに要らないと思うよ。2つ3つに分けて教えてるスキルが、1つで事足りるみたいな。

例えば傾聴でクライアントの話すことをありのままに受け止めてるっていうことでいえば、その瞬間、承認も起こっているわけだよね。

—ふむふむ。—
拓人:頑張って承認してあげる言葉を一生懸命スキルとしてやらなくても、あるがままに話を聴いてあげている時点でその人を承認できてるじゃない?

—要素として、もう含まれてますもんね。自然な形で。—
拓人:自分の在り方というか、クライアントとしっかり繋がって、余計なものを差し挟まないでいれば、コーチングで教えてるスキルの大半は、自然に起こるんじゃない?と思うけどね。

ただ、コーチとして実力つけていくというかトレーニングしていくうえで、チェックポイントとして「こういうスキル、こういうスキル」って確認していくのは大事だと思うよ。

クライアントとの関わり

—なるほど、なるほど。その辺の消化のされ方が、今までの積み重ねてきた部分なんだと感じております。—
拓人:でも、僕そんなにコーチングのセッションとか沢山はやってきてないから。

—そうなんですか?—
拓人:そんなに今までクライアントを沢山抱えるっていう感覚がなかったから。それよりも目の前のクライアントさんとじっくりやっていく。だから短期間で終わるというよりも、本当にこの人とある程度の期間やるような意識でやってきてたかな。

—大体、何人くらいクライアントさんがいらっしゃるんですか?—
拓人:僕ね、多かったときで12~13人ぐらいまでかな。少ないときは本当に少なくて1人とかなんだけど。大体自分のキャパ、これまでの平均でいえば7~8人。

—その方々と長いお付き合いをすると。その「長い」という意味合いについてもう少し伺ってみたいです。—
拓人:簡単にいえば、一生の付き合いですよね。始めるときに「あっ、この人とは一生付き合える」とか「応援したい」と思えないと、やらないみたいな。でも、体験の途中で壊れる関係もあるからね(笑)思ってたのと違った、みたいな(笑)。

—ハハハハ(笑)やっぱり相性とかもありますからね。最初は体験セッションをされるんですか?—
拓人:僕、体験セッションってほとんど今やらないのよ。

—あっ、そうなんですか!?—
拓人:コーチングスクールでは、定番の流れとして教えられるよね。

—そうですね。—
拓人:体験セッションでは、全然足りない感じがしてて。それよりも、普通にお話したほうがいいかなという。

—なるほど。わりと普通にランチしようよとか、そういう流れの中で。—
拓人:そうそう。コーチングのことをもう既に知ってたら、その人が知ってるコーチングと自分のやってるコーチングが同じかどうかって分からないじゃない。コーチングの流派もいっぱいあるから、まずその辺の話聞いて。「どんなコーチング知ってるんですか?」とか。「私がやってるのはこんなんですよ」とか合わせていって。もうその時点で求めるものが違うかもしれないしね。

—そうですね。—
拓人:話聞いて、あとは普通にですよね。こっちから声かけるんだったら「この人ともっと話してみたい」とか「もっとよく知りたい」とかっていう人に声かけて話すのが。だからサンプルセッションとか体験セッションのつもりでは声かけてない。

—なるほど。会ってみたくて話してみたくてっていう人と会いに行くっていう形ですね。—
拓人:コーチングしなくても話すこと自体がもうコーチだから、自然とそれがコーチングに近かったりするわけじゃない。もうそれって相手にも分かるよね。「普通の会話と違うわ」みたいな。「あっ、この人よく聞いてくれてる」とか。それで、その人が興味持ってくれて「拓さん、どんなコーチングやってるんですか?」とか「拓さんは、どんなことやってるんですか?」って逆に聞いてくれたら、そこからまた始まるみたいな。

—今の部分って、最初の話の球でいう中のコアのパーソナルの部分。コーチという職業という役割(ロール)はあるんだけど、でもやっぱり、ちゃんと自分を深く見ていれば、それは自然と日常にも勝手に反映されるというように聴こえました。—
拓人:そのほうが楽じゃない。相手の人も。いきなりサンプルセッション・体験セッション受けてみませんか?って言ったら「えっ、これが終わったあとにもしかしてコーチング受けませんか?ってことになりますよね?」みたいな。

だからコーチングの話になったときでも、例えば今すぐどうじゃなくて、僕が話聞くのが必要になったときにはまた声かけてくださいぐらいの感じだったりとかするよね。

—そういうふうにやっているコーチって、あんまり聞かないですね。—
拓人:コーチング受けて、すごい変わったっていう人は「あのコーチのコーチング受けたから変わった」みたいなのがあるけど、僕は僕のコーチング受けてくれたおかげで変わったとか思ってもらわなくてもいいと思ってるから。

コーチングの効果があったか何だか分からないけど、その期間が過ぎたら何か変わってた、みたいな自然な変化ですよね。コーチングのおかげで変わったっていったら「あのコーチのおかげ」とかになるけど、自然な変化が起こると自分の中から自然と変化したと思えるじゃないですか。

—一貫して、その人の自然なコアな部分を大事にされているんですね。—
拓人:僕が自分自身で大切にしているのは、自分自身のインナーパワー。人それぞれの内側にあるインナーパワーに触れること、目覚めることだし、クライアントさんとかにも自分自身のインナーパワーと繋がってほしい。だから外にある偉大な人のパワーじゃないんですよ(笑)

—なるほど!外じゃなくて、もっと中心にあるよねっていう(笑)。とかく人は外に答えを求めたがりますからね。—

第二回に続く

過去も学びも超えて(2/3):落合拓人さん

2017.05.28

悩みを越えて成長していこう!


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